AKGのセミオープン型ヘッドホンK240 Studioは他と比較してどうなのか??
今回は、AKGのヘッドホン、K240 Studioを使ってみた感想について、他社製ヘッドホンとの比較を交えてお伝えします。
ネットでモニタリングヘッドホンを調べると、数千円台という比較的リーズナブルな価格帯(※)で入手可能なAKGのヘッドホン、K240 Studioがよくヒットします。
リーズナブルな価格の割に、高い評価がなされていることが多く、そのあたりが逆に怪しいと感じている方も多いのではないでしょうか?
私も、そのような疑念を抱いていた一人でしたが、これよりも安い(※)SE-MJ2(Pioneer)、これよりも高い(※)ATH-A500X(Audio Technica)と比べてみたところ、次のような特徴であることがわかりました。
- 解像度:ATH-A500X>K240 Studio>SE-MJ2
- 低音:K240 Studio≒SE-MJ2>ATH-A500X
- 遮音性:ATH-A500X>K240 Studio≒SE-MJ2
- 装着感:SE-MJ2>K240 Studio>ATH-A500X
簡単にまとめると、AKGのK240 Studioは、そこそこの解像度と低音再現度を持ちつつ、長時間使用していても疲れない装着感のため、バランスを求める人におすすめのヘッドホンです。
その上、数千円台(※)と、比較的リーズナブルな値段で入手可能なのがメリットですね。
(※)調査時点(2019年10月19日)の価格ベース(時期、その他状況によって変動する可能性があります)
それでは以下、詳しくみていきましょう。
1.AKGのK240 Studioの概要
はじめにこのヘッドホンのざっくりした特徴を示します。
- 価格帯(調査時点(2019年10月19日)):およそ数千円台(時期、その他状況によって変動する可能性があります)
- 用途:モニタリング
- タイプ:セミオープン
- 帯域:15~25,000Hz
私自身、いわゆるオープン型のヘッドホンを使ったことがないので、どのへんがセミ(準)なのか、正直わかりませんが、後ほど説明する密閉型に比べると、音漏れ量も多く、遮音性も劣る印象はあります。
2.比較対象のヘッドホン
比較対象としたのは、K240 Studioよりも安いSE-MJ2(Pioneer)、K240 Studioよりも高いATH-A500X(Audio Technica)です(調査時点(2019年10月19日)の価格ベース(時期、その他状況によって変動する可能性があります))。
これらを比較対象に選んだことに特別な意味はありません。
単に「従来から使っていたものなので比較がしやすい」というだけです。
とはいえ、価格帯もタイプも異なるので、今回のターゲットとなるヘッドホンK240 Studioならではの特徴を見出だすという意味では、よい選択になっているかと思います。
2-1.PioneerのSE-MJ2
3つの中で最も安価で、最も小さなヘッドホンです。
SE-MJ2は古いヘッドホンで、検索してもなかなかヒットしないため、上の商品リンクはSE-MJ-X2のものとしました。
- 価格帯(調査時点(2019年10月19日)):およそ数千円台(AKGのK240 Studioより安い)(時期、その他状況によって変動する可能性があります)
- 用途:リスニング?
- タイプ:密閉
- 帯域:12~22,000Hz
用途については、特に明示的な記載が見当たりませんでしたが、あまりスタジオワークに使われているものでもなさそうなので、リスニングととらえるのが妥当そうな気がします。
また、密閉型といってもサイズが小さいため、そこまで密閉はされません。
2-2.Audio TechnicaのATH-A500X
Audio Technicaのアートモニターシリーズに分類される、モニタリングヘッドホンです。
- 価格帯(調査時点(2019年10月19日)):数千円~一万円台(時期、その他状況によって変動する可能性があります)
- 用途:モニタリング
- タイプ:密閉型
- 帯域:5~30,000Hz
布製のコードが印象的で、密閉型にふさわしく(?)サイズも大きいです。
3.比較結果
比較ポイントは人それぞれであり、また、細かいところを挙げるときりがないですが、個人的に重視している次の4点で比較してみました。
- 解像度:細かい部分まで判別可能か
- 低音:低音が十分聴こえるか
- 遮音性:外部の音を十分遮断できるか
- 装着感:重かったり、疲れたりしないか
結果は以下の通りです。
- 解像度:ATH-A500X>K240 Studio>SE-MJ2
- 低音:K240 Studio≒SE-MJ2>ATH-A500X
- 遮音性:ATH-A500X>K240 Studio≒SE-MJ2
- 装着感:SE-MJ2>K240 Studio>ATH-A500X
3-1.解像度
ATH-A500X>K240 Studio>SE-MJ2
今回の並びでいくと、価格順(※)といってよいぐらい、わかりやすい順番となりました。
(※)調査時点(2019年10月19日)の価格ベース(時期、その他状況によって変動する可能性があります)
ただ、細かくいうと、ATH-A500X(Audio Technica)が断トツで、K240 Studio(AKG)とSE-MJ2(Pioneer)の差はそれほど大きくは感じませんでした。
ATH-A500X(Audio Technica)のヘッドホンは本当によく聴こえます。
音の粗探しをするというなら、このATH-A500X(Audio Technica)が最も有効でしょう。
3-2.低音
K240 Studio≒SE-MJ2>ATH-A500X
解像度は抜群のATH-A500X(Audio Technica)ですが、低音は最も弱いです。
ヘッドホン位置をジャストに合わせても、他2つのヘッドホン並の低音は感じられません。
ヘッドホン位置がずれているともう、完全にスカスカといっていいぐらいに低音が聴こえなくなります。
一方、K240 Studio(AKG)とSE-MJ2(Pioneer)は、少々位置ずれしていても、低音がしっかり聴こえます。
好きずきでしょうが、個人的にはK240 Studio(AKG)やSE-MJ2(Pioneer)の低音の出方が好きです。
3-3.遮音性
ATH-A500X>K240 Studio≒SE-MJ2
K240 Studio(AKG)はセミオープンのため、外部音は結構聴こえます。
SE-MJ2(Pioneer)は密閉型とは言うものの、それほど耳を覆わないため、遮音性の点ではK240 Studio(AKG)とほぼ同等です。
やはり、遮音性では耳を本格的に覆うATH-A500X(Audio Technica)が圧倒的です。
3-4.装着感
SE-MJ2>K240 Studio>ATH-A500X
やはりサイズの小さいSE-MJ2(Pioneer)が最も負担なく装着できます。
K240 Studio(AKG)とATH-A500Xはどちらも同じくらい大きなヘッドホンですが、K240 Studio(AKG)の方が楽な気がします。
4.最後に
以上、AKGのモニターヘッドホン、K240S Studioを使用してみた感想について、他社製ヘッドホンとの比較を交えてお伝えしてきました。
比較対象としたのは、K240 Studioよりも安いSE-MJ2(Pioneer)、K240 Studioよりも高いATH-A500X(Audio Technica)です(調査時点(2019年10月19日)の価格ベース(時期、その他状況によって変動する可能性があります))。
ここでもう一度、比較結果を示しておきましょう。
- 解像度:ATH-A500X>K240 Studio>SE-MJ2
- 低音:K240 Studio≒SE-MJ2>ATH-A500X
- 遮音性:ATH-A500X>K240 Studio≒SE-MJ2
- 装着感:SE-MJ2>K240 Studio>ATH-A500X
AKGのK240 Studioは、確かに評判通り、コスパに優れたヘッドホンであると実感しました。
そこそこの解像度と低音再現度を持ちつつ、長時間使用していても疲れない装着感のため、バランスを求める人におすすめのヘッドホンです。
コスパの高いヘッドホンを探している方にとっては、一度チェックしてみる価値のあるヘッドホンではないでしょうか?