X(Twitter)音楽系ハッシュタグは効果が高いのか探ってみた
今回はX(Twitter)の音楽系ハッシュタグの効果を探ってみた結果についてお伝えします。
ズバリ、こんな方に特におススメの内容です。
- X(Twitter)のハッシュタグの効果を知りたい
- 音楽系のツイートでいいね数、インプレッション数(表示回数)を上げたい
今回は自分の約3年半分のツイートを、ハッシュタグなしのもの、音楽系ハッシュタグありのものに分けて(両グループ間でツイート内容は特に揃えていません)、
いいね数、インプレッション数(表示回数)を調べてみましたが、例えばいいね数で傾向を調べてみると、結果はこのようになりました。
- 縦軸:件数割合(全体に占める該当件数の割合(百分率))[%]
- 横軸:いいね数(階級)(例:「4」のところは「2超過4以下」の範囲を示す)
(いいね数32超過のものはごく少数のため、描画範囲から除外)
これをみると、音楽系タグありの分布(下の方のグラフ)の方が、全体的に右(いいね数が高い側)に寄っている、
つまり「音楽系ハッシュタグを使った方がいいね数が上がりやすい」傾向にあることがお分かりいただけるかと思います。
インプレッション数(表示回数)についても大体似たような傾向です(後ほどお伝えしますが)。
もっとも、一口に音楽系ハッシュタグといっても、あまりにマイナーなものだとここまで効果はないでしょうし、
ハッシュタグなしでも、フォロワーからよく見られて反応されているアカウントであれば、そこまで低い数値にはならないでしょう。
ただ、特に見てくれるフォロワーが少ないアカウントの場合、
よく賑わっているハッシュタグをつけてツイートすることで、いいね数、インプレッション数(表示回数)を上げることが期待できると言えそうです。
これは私も体感していることですが、今回調査してみて改めて数値的に認識することができました。
ちなみに、私がよく使っている音楽系ハッシュタグは
- #DTM
- #DTMer
- #DTMerと繋がりたい
- #音楽
- #音楽好き
- #音楽のある生活
- #音楽好きと繋がりたい
- #音楽好きさんと繋がりたい
- #音楽好きな人と繋がりたい
といったあたりです(文字数も踏まえつつ、これらを複数併用してツイートすることが多いです)。
ハッシュタグ1つ1つの効果は不明ですが、
いいね数、インプレッション数(表示回数)を上げたいと思っている音楽系アカウントの人は、こうしたハッシュタグを試してみるのもよいかと思います。
なお、今回、こうしたツイート分析をするために、プログラミング言語Pythonによるプログラム作成を行ったのですが、
Pythonの基礎を学ぶにあたってはこの本がとても役立ちました。
データ分析目的でPythonを利用する人には特に合う一冊だと思います・・・
それでは以下、詳しくみていきましょう!
1.調査方法
今回は2019年1月から2022年6月の約3年半分のツイートについて、以下の要領で調査を行いました。
- 調査対象:ハッシュタグなし(799件)、音楽系ハッシュタグあり(2282件)←リプライ(@付)は対象外、引用リツイートは対象に含み、両グループ間で特にツイート内容は揃えていない(内容的に重複しているものは含まれ得る)
- 分析観点:ハッシュタグなしと、音楽系ハッシュタグありとで、いいね数、インプレッション(表示回数)の分布、平均値/最大値/最小値にどのような違いがあるか
音楽系ハッシュタグとしては以下を対象(複数同時使用あり)とし、アーティスト名などのピンポイント的なハッシュタグは対象外としました(X(Twitter)ではハッシュタグの大文字小文字は機能的に区別されないので、以下のうち#JROCKと#jrockは実質同じですが、ツイート本文には両方の表記が存在しているため、本条件で抽出しました)。
- #ボイトレ
- #カラオケ
- #カラオケ好きと繋がりたい
- #ギター
- #ギター好きと繋がりたい
- #DTM
- #DTMer
- #DTMerと繋がりたい
- #音楽
- #音楽好き
- #音楽のある生活
- #音楽好きと繋がりたい
- #音楽好きとつながりたい
- #音楽好きさんと繋がりたい
- #音楽好きな人と繋がりたい
- #音楽好きなひとと繋がりたい
- #洋楽好きな人と繋がりたい
- #洋ロック好きと繋がりたい
- #洋ロック好きな人と繋がりたい
- #邦ロック好きと繋がりたい
- #邦ロック好きな人と繋がりたい
- #作曲
- #洋楽好き
- #音楽つくってる人と仲良くなりたい
- #JROCK
- #洋楽
- #DAW
- #ロック
- #ライヴ
- #曲作り
- #BGM
- #音楽さえあればいい
- #音楽作ってるひとと仲良くなりたい
- #jrock
私自身、複数タグ同時使用でのツイートが多く、
上に挙げた音楽系ハッシュタグとそれ以外のハッシュタグを組み合わせてツイートすることも多かったのですが、
今回は上に挙げた音楽系ハッシュタグのみの効果をみたかったので、そうしたツイートは対象外としました。
2.調査結果
いいね数とインプレッション数に着目して調査分析を行いました。
2-1.いいね数
以下は、ハッシュタグなし、音楽系ハッシュタグあり、それぞれのいいね数分布を示すヒストグラムです。
- 縦軸:件数割合(全体に占める該当件数の割合(百分率))[%]
- 横軸:いいね数(階級)(例:「4」のところは「2超過4以下」の範囲を示す)
(いいね数32超過のものはごく少数のため、描画範囲から除外)
冒頭でもお伝えしましたが、
音楽系ハッシュタグありの分布(下の方のグラフ)の方が、全体的に右(いいね数が高い側)に寄っている、
つまり「音楽系ハッシュタグを使った方がいいね数が上がりやすい」傾向にあることがお分かりいただけるかと思います。
次に平均値/最小値/最大値をみてみます。
条件 | 平均値 | 最小値 | 最大値 | 件数 |
---|---|---|---|---|
ハッシュタグなし | 1.19 | 0 | 100 | 799 |
音楽系ハッシュタグあり | 6.81 | 0 | 64 | 2282 |
平均値は音楽系ハッシュタグありの方が高いですが、いずれの場合も、先ほどみた分布のメイン部分に収まっています。
最小値はいずれの場合も0、最大値は双方とも平均値に比べて極端に高くなっています。
ハッシュタグなし最大値100は、影響力のあるアカウントにリツイートされて結果的にいいね数も上がったもの、
音楽系ハッシュタグあり最大値64は、長らく固定ツイートにしていて結果的にいいね数をため込んだもの、
に該当します。
先ほど示したヒストグラムにおける分布の様子からもわかるように(少なすぎて描画範囲から除外したぐらい)、ほとんどのツイートはここまでいかないものであり、これらはかなりの例外といってよいでしょう。
2-2.インプレッション数
以下は、ハッシュタグなし、音楽系ハッシュタグあり、それぞれのインプレッション数(表示回数)分布を示すヒストグラムです。
- 縦軸:件数割合(全体に占める該当件数の割合(百分率))[%]
- 横軸:インプレッション数(階級)(例:「400」のところは「200超過400以下」の範囲を示す)
(インプレッション数2600超過のものはごく少数のため、描画範囲から除外)
いいね数の場合に比べると、やや差が小さいですが、
やはり音楽系ハッシュタグありの分布(下の方のグラフ)の方が、全体的に右(インプレッション数が高い側)に寄っている、
つまり「音楽系ハッシュタグを使った方がインプレッション数が上がりやすい」傾向にあることがお分かりいただけるかと思います。
しかし、インプレッション数800~2200では、ハッシュタグなしの方が高インプレッションのツイートが多い傾向になっています(微々たる差ですが)。
これも先ほどのいいね数の場合と同様、影響力の強いアカウントのツイートに対する引用リツイートがリツイートされるなどして拡散された結果、インプレッション数が格段に上がったものと考えられます。
こうしたツイートのいいね数は、2-1で示したヒストグラムで見た通り、それほど目立つものではありませんでしたが、インプレッション数は表示されるだけで上がる(反応がなくても)数値であるため、こうしてヒストグラム上でもわかるレベルになっているのでしょう。
次に平均値/最小値/最大値をみてみます。
条件 | 平均値 | 最小値 | 最大値 | 件数 |
---|---|---|---|---|
ハッシュタグなし | 234 | 7 | 9816 | 799 |
音楽系ハッシュタグあり | 192 | 10 | 3771 | 2282 |
平均値では、ハッシュタグなしの方が若干高くなっていますが、これは以下理由によるものと考えられます。
- ハッシュタグなしツイートの中には、影響力の強いアカウントのツイートに対する引用リツイートも含まれる
- こうしたツイートが影響力の強いアカウントによるリツイートで拡散されてインプレッション数が増大した
- この増大したインプレッション数によって、平均値が高い方に引きずられた
いいね数の方も、影響力の強いアカウントによるリツイートで上がる可能性は高まりますが、
(見ている人の反応が必要な)いいね数とは違って、
インプレッション数は表示さえされれば、その数値が上がっていきますから、
いいね数以上に「拡散によって数値が上がりやすい指標」なのでしょう。
最小値は両者で大差なし(ハッシュタグなしで7、音楽系ハッシュタグありで10)ですが、最大値は双方とも平均値に比べて極端に高くなっています。
ハッシュタグなし最大値9816は、先ほどのいいね数100のツイート(影響力の強いアカウントのツイートに対する引用リツイート)
音楽系ハッシュタグあり最大値64は、先ほどのいいね数64のツイート(長らく固定ツイートにしていたもの)
にそれぞれ該当します。
しかし、先ほど示したヒストグラムにおける分布の様子からもわかるように(少なすぎて描画範囲から除外したぐらい)、ほとんどのツイートはここまでいかないものであり、これらはかなりの例外といってよいでしょう。
さて、ハッシュタグなしツイートとハッシュタグありツイート、両者のインプレッション数について、それぞれ次のような特徴があると思います(個人的な経験に基づく考察)。
- ハッシュタグなしツイート:基本的にフォロワーのタイムラインに表示される必要があるため、インプレッション数を上げにくい
- ハッシュタグありツイート:ハッシュタグから流入してくる人に見えればよいため、インプレッション数を上げやすい
ハッシュタグなしツイートでも、タイムライン以外に検索で見つけてもらえる可能性はありますが、
検索ヒットしやすい内容ばかりツイートするわけにもいかないでしょうから、あまり期待できるルートではないと考えられます。
これに対して、ハッシュタグありツイートの場合、
そのハッシュタグがよく使われて賑わっているものであれば、ハッシュタグクリックによって表示してもらえる可能性が高くなります。
ですので、フォロワー数が少ない場合、フォロワーのタイムラインに表示される機会が少ない場合には、
「賑わっているハッシュタグを使用する」のがインプレッション数向上に有効であるといえそうです。
さらに、インプレッション数が向上すれば、いいね数が向上することも期待できる(必ず上がる、というわけではないですが)ので、
いいね数を上げたい場合の方策としても「賑わっているハッシュタグを使用する」のは有効だと考えられます。
2-3.その他補足
なお、今回の調査対象にした音楽系ハッシュタグありのツイートについては、以下のような事情があります。
- 音楽系ハッシュタグありでは、固定ツイートにしていて値の高いものが若干含まれている(大勢には影響しないと判断)
- 音楽系ハッシュタグは基本的に複数併用しているので、ハッシュタグ個別の効果を把握することはできなかった
1つ目については、固定ツイートにしていたことがあるツイートと、それ以外のツイートを分けることができなかったので、そのまま含めてデータ分析しました。
しかし、今回分析対象とした2282件のうち、固定ツイートにしていたのはせいぜい10数件(新曲配信時の投稿)ぐらいだったと思いますので、全体に与える影響は軽微であろうといえます。
3.最後に
以上、X(Twitter)の音楽系ハッシュタグの効果を探ってみた結果についてお伝えしてきました。
結論としては、
- 音楽系ハッシュタグを使った方がいいね数が上がりやすい
- 音楽系ハッシュタグを使った方がインプレッション数が上がりやすい
ということが言えそうです。
データで示しますと、平均値としては
条件 | いいね数 | インプレッション数 |
---|---|---|
ハッシュタグなし | 1.19 | 234 |
音楽系ハッシュタグあり | 6.81 | 192 |
で、ハッシュタグなしの方が若干インプレッション数は高めに出ているものの(影響力の強いアカウントによるリツイートなどを含む影響)、
いいね数では音楽系ハッシュタグありの方がかなり高く、
分布としては
といった具合で、音楽系ハッシュタグを使うと「いいね数10前後を期待するのもそれほど無謀ではない」といえそうです。
なお、今回、こうしたツイート分析をするために、プログラミング言語Pythonによるプログラム作成を行ったのですが、
Pythonの基礎を学ぶにあたってはこの本がとても役立ちました。
データ分析目的でPythonを利用する人には特に合う一冊だと思います・・・
今回の記事が
- X(Twitter)のハッシュタグの効果を知りたい
- 音楽系のツイートでいいね数、インプレッション数(表示回数)を上げたい
といった方のご参考になれば幸いです。