ボーカル(歌入れ)依頼の前に確認しておきたいこと

今回は、ココナラなどの仲介サービスを通じてボーカル(歌入れ)依頼する前に確認しておきたいことについて考えてみました。

私自身、今までこうした(ボーカル)歌入れ依頼したことはありませんが、

歌モノの曲を作るのが好きなので、

「今後依頼してみてもよいかなぁ」

と思ったりはします。

それで、もう少し深掘りして考えてみると

「もし依頼するとしたら、どういう点に注意すればよいだろう」

と気になりましたので、

「この機会に考えをまとめてみた」

というわけです。

考えてみた結果、

私自身が「ここを確認しておくと安心できる」と感じた要素はざっと以下のような点です。

  • (使用条件)商用利用可能か
  • (使用条件)歌い手のクレジット記載が必要(あるいは可能)か
  • (使用条件)歌声データはどのような使い方ができるか(加工や他曲への流用は可能か、など)
  • (楽曲との相性)どのような歌声か(キー、ジャンル、世界観がマッチするか、など)
  • (依頼時に必要なもの)どのような内容&形式のデータ(楽譜、音源)が必要か
  • (完成時に受け取れるもの)どのような内容&形式の歌声データファイルか

ちょっと考えすぎですかね??

しかし、後々のことを考えると、これぐらい確認できれば安心して依頼に進めそうな気がします。

なかなかここまで全部あらかじめ開示しているケースは少ないと思いますが、早い段階で不明点を埋めて依頼に進めていければよいでしょう。

以下、各項目もう少し掘り下げて説明していきます。

1.使用条件

冒頭でも挙げましたが、具体的には以下3つです。

  • 商用利用可能か
  • クレジット記載が必要か、可能か
  • 歌声データはどのような使い方ができるか(加工や他曲への流用は可能か、など)

1-1.商用利用可能か

商用利用には、一般的には音楽販売、有料サブスクへの配信を行うことが含まれ、さらには楽曲を含む動画をアップロードして動画広告収入を得ることも含まれると考えられます。

一般的に許諾ハードルの高さ(認められにくさ)のイメージは、

商用利用>非商用利用(公開)>非商用利用(非公開)

と考えられます(商用利用が最も認められにくい)。

何も言及していない場合、最もハードルの低い非商用利用(非公開)ぐらいは認められそうに思いますが、明示されていないと不安ですから、連絡時にどこまで可能なのか確認しておく方がよいでしょう。

1-2.クレジット記載が必要か、可能か

クレジット記載、すなわち歌ってもらった歌い手さんの名前を入れることです。

非公開(自分しか聴かない)の場合は、あまり関係がありませんが、歌声データをミックスした楽曲音源を公開する場合には大きく関係してきます。

クレジット記載メリットデメリットは、立場、状況、考え方によって変わってきます。

以下は、立場によるメリット、デメリットを表にまとめたものです(下表、横にはみ出ている場合は横スクロールできます)。

歌い手クレジット記載のメリット&デメリット
メリット デメリット
歌い手
  • 自分の実績が目に見えて積み上がる
  • 自分の知名度が上がる可能性あり
その楽曲に関わることが、自分のイメージにマイナスになると考えられる場合
依頼者 歌い手の知名度に応じて、自分及び自分の曲の知名度が上がる可能性あり
  • 完全自分名義にならない(例えば「feat.~」などの名義になる)ことで、別アーティストと認識されてしまう可能性あり
  • その歌い手を起用することが、自分のイメージにマイナスになると考えられる場合

表中、「~自分のイメージにマイナスになると考えられる場合」とあるデメリットは、何とも悲しいというか、

そう思うならいっそ取引をやめた方がよいとも考えられるのですが、

そうせざるを得ない事情があったりするかもしれないと思い、ここで挙げておきました。

というわけで、クレジット記載は、どちらにとってもメリット、あるいはデメリットとなる可能性が考えられますので、

歌を入れた楽曲音源を公開するときに、歌い手さんの名前を入れる必要があるのか、あるいは入れることができるのか、事前に確認できると安心です。

1-3.歌声データはどのような使い方ができるか

具体的には以下2点を確認しておくと安心です。

  • 受け取った歌声データは加工可能か
  • 別楽曲やリミックスに流用可能か

1つ目「受け取った歌声データは加工可能か」について。

受け取った歌声データがそのまま使えればよいですが、

バックトラックに馴染まなかったり、リバーブなどのエフェクトが必要になったりすることもあるでしょう。

そういった場合に加工して使ってもよいか、確認しておくと安心です。

2つ目「別楽曲やリミックスに流用可能か」について。

後々、別楽曲やリミックスに歌声データの一部、または全部を使いたくなるケースが出てくるかもしれません。

そのときになって慌てないよう、あらかじめ確認しておくと安心かと思います。

2.楽曲との相性

相性を判断する上で重要な観点としては以下3点考えられます。

  • キー
  • ジャンル
  • 世界観

歌い手さんの歌が聴ける動画や音源が公開されていれば、それを基に判断するとよいでしょう。

キーについては、全体の音程範囲だけではなく、地声、裏声の範囲、高音の連続がどのような雰囲気になるのかまで把握できると、一層相性を判断しやすくなると思います。

3.依頼時に必要なもの

依頼時には何らかのファイルを送る必要がありますが、以下2つの観点で必要なものを確認するとよいと思います。

  • 内容
  • 形式

3-1.内容

よく必要になるものとして以下が挙げられます。

  • 楽譜
  • 歌詞
  • 楽曲音源
  • 仮歌付き音源
  • カラオケ音源

必要なものが少なければその分、準備の手間もかからないので、渡すものは最小限にしたいところです。

とはいえ、情報(渡すもの)が多いほど意図通りの歌になる可能性が高くなるので、あまりケチらない方がよいとも考えられます。

そのあたり、楽曲の内容と歌い手さんの要望に応じて、適切なバランスを見極めたいところです。

3-2.形式

具体的には、ファイル種別(拡張子)やスペック(音源ならサンプリング周波数やビットレートといった項目)ですが、

今の自分の環境で歌い手の要望に応じられるかどうか、事前に確認しておくと依頼後の対応で慌てず済むでしょう。

4.完成時に受け取れるもの

こちらもファイルの話ですから、上記3と同様、以下2つの観点で確認するとよいかと思います。

  • 内容
  • 形式

4-1.内容

具体的には「歌声データの内容」ということですが、歌声データといっても、

  • 修正済かそうでないか
  • エフェクト(リバーブなど)付きかそうでないか

など、その後作業をしていく上で、確認が欠かせない点があります。

このあたりも明確になっていれば安心です。

4-2.形式

3ー2でも触れた通り、具体的にはファイル種別(拡張子)やスペック(音源ならサンプリング周波数やビットレートといった項目)ですが、

受け取った歌声データを使ってミックスするにあたっては、

「あまり低スペック(低音質)なファイルで送られても困る」

といったこともあるかと思いますので、そういった観点でも確認しておきたいところです。

5.最後に

以上、ココナラなどの仲介サービスを通じてボーカル(歌入れ)依頼する前に確認しておきたいことについてお伝えしてきました。

最後にもう一度要点をまとめます。

私自身が「ここを確認しておくと安心できる」と感じた要素はざっと以下のような点です。

  • (使用条件)商用利用可能か
  • (使用条件)歌い手のクレジット記載が必要(あるいは可能)か
  • (使用条件)歌声データはどのような使い方ができるか(加工や他曲への流用は可能か、など)
  • (楽曲との相性)どのような歌声か(キー、ジャンル、世界観がマッチするか、など)
  • (依頼時に必要なもの)どのような内容&形式のデータ(楽譜、音源)が必要か
  • (完成時に受け取れるもの)どのような内容&形式の歌声データファイルか

ちょっと考えすぎかもしれませんが、スムーズに作業を進めたいと思うと、これぐらい気になってしまいます・・・

ココナラなどでボーカル(歌入れ)対応いただける方は非常に多く、候補を絞り込むのも大変ですが、ぜひとも人の声の歌を入れたいと思う曲ができたら、私も依頼を検討してみたいと思います。