顔だけ防音可能なISOVOX 2の防音効果を推定検証してみた結果
(写真はイメージです)
今回はパーソナル防音ブース(ボーカルブース)として使えるISOVOX 2の防音効果を推定検証してみた結果についてお伝えします。
ズバリ、こんな方に特におススメの内容です。
- ISOVOX 2の防音効果が気になる
- ISOVOX 2の導入を検討している
- 顔だけ防音できないか考えている
- 防音マスクよりも自然に歌える環境を探している
このグッズ、自宅で歌える防音環境を作りたい方にとっては、以下のメリットが考えられ、
- 防音室設置よりは導入ハードルが低い
- 口周りをふさぐ防音マスク系グッズよりは自然な歌声が出せる
有力な検討候補になり得ると思われるのですが、
導入するにあたっては何より「防音効果」が気になるものではないでしょうか?
(防音マスク系グッズと比べてどうなのか、気になる方は以下記事もご参考にしていただければ、と思います。)
さて、先に今回記事における結論をお伝えしておきますと、
- SoundCloudで無料公開されているテスト音源からすると20dB以上の防音効果があり大いに期待できる
といったところです(音源に対する音量解析に基づく)。
もっとも、実際には使用者の声(声質、声量など)や環境(構造、周囲状況等)は様々ですし、
今回解析したテスト音源については、
- 周波数帯域(歌声音域)は限られている(男声B3~F#4)
- 細かな測定条件はわからない
といった点もあるので、
- 20dBの防音効果で十分なのか?
- 条件によってはそこまで防音効果が得られないのではないか?
といった疑問は残りますが、
自宅で歌える(ボイトレ、カラオケ、ボーカル録音できる)環境を作りたい方にとっては、有力な検討候補の一つになりそうです。
それでは以下、詳しくみていきましょう!
1.ISOVOX 2の概要
ここでは、ISOVOX 2の特徴(特長)と注意点についてざっとお伝えします。
1-1.特徴(特長)
ISOVOX 2のイメージをざっくり言うと、「顔だけ防音室」といったところだと思います。
自宅でボイトレ、カラオケなど、大声を出したいと考えるとき、
「声が直接出てくるのは口から。ならば、せめて顔周辺だけ防音できたらいいのに・・・」
そう発想する方も多いと思います。
このボーカルブースISOVOX 2は、まさにそうした使い方ができるグッズの一つなのです。
もっとも、この商品の主な想定用途としては、
「声の録音」
であり、防音(外に音を漏らさない)というよりは遮音(外からの音を遮る)がメインのような気がします。
しかし、
公式ページで防音効果もアピールしていたりするので、防音もできるグッズといってよいかと思います。
おぉ、防音もできて歌の録音までできるとは素晴らしいですね。
1-2.注意点
こうしてみると、相当魅力的なグッズに思えますが、以下のような点には注意が必要です。
- 単体で設置はできず、別途スピーカースタンドが必要
- 重量が約11Kgと割と重い
スピーカースタンドはパイプ径35mmのものが必要そうです(特にメーカー指定などなし)。
また、10Kg超のものを持ち上げて、スタンド上方に差すわけですから、セッティング時には腰など痛めないよう、十分注意が必要だと思われます。
重量やスタンドサイズについては、例えば以下ページ(PC版ページ表示時の商品説明)が参考になるかと思います。
ショップによっては、本来別途入手(準備)する必要のあるスピーカースタンドをセットで付けてくれることもあるようです。
が、そのようなショップが見つからない場合は、やはり別口でスピーカースタンドを入手(準備)する必要があります。
その場合、上記ページなどを参考に、例えば以下のようなスピーカースタンドなどを検討してみてもよいかもしれません。
2.検証方法・条件
さて、自宅防音用にISOVOX 2の導入を検討するにあたっては、その防音効果が気になるところですが、ありがたいことに、
ISOVOX 2のあり/なしによる「声の聴こえ方の違い」がわかる「テスト音源」がSoundCloud上にアップロードされています(以下リンク)。
このテスト音源の特徴は次の通りです。
- 歌っている人のいる位置から1m離れたところで録音されている模様(SoundCloudページの説明に基づく)
- ややキー高めの歌声(男)でテストされている
- 5フレーズ×(ISOVOX2有り/無しの2パターン)の合計10パターンが収録されている
このテスト音源は、同じフレーズをISOVOX 2あり/なしで歌ったときの声が含まれているため、違いがわかりやすいです。
これをざっと聴くだけでも、防音効果のあることがわかるのですが、もっと定量的に調べるべく、各条件(区間)の平均音量を算出して比較してみることにしました。
3.検証結果
ここでは音量の解析結果をお伝えしていこうと思いますが、
収録されている音の素性(ここでは歌声の音域)によって結果が変わると考えられますので、
まずは各条件(フレーズ)に含まれる最低音と最高音をまとめた表を以下に示します。
条件No. | 最低音 | 最高音 |
---|---|---|
1 | D4 | F#4 |
2 | D4 | F#4 |
3 | D4 | F#4 |
4 | D4 | F#4 |
5 | B3 | F#4 |
続いて、以下に各条件(フレーズ)についての音量差分(ISOVOX 2による防音効果に相当)をグラフ化したものを示します。
- 横軸:条件No.(先ほど示した音域条件まとめ表の「条件No.」と対応)
- 縦軸:平均音量差分[dB]
このグラフをみると、最低でも20dBの音量差分、つまり防音効果が得られていることがわかります。
ただ、今回用いたテスト音源に収録されている歌声の音域は比較的狭く、超低音、超高音などが含まれていないので、
「どんな声でも20dBの防音効果が得られるのか?」
という点では疑問が残ります。
また、このテスト音源に添えられている説明では特に明示されていませんが、
ISOVOX 2の外側で聴く位置によって、感じられる防音効果に違いがあることも想像できます。
特に、ブースの下側から首を入れるという構造上、ブースの下側は開放せざるを得ないですから、
下方向の防音効果は他方向に比べて弱いかもしれません(個人的な推測)。
こうした細かな点については不明なため、この先は入手してからのお試しということになりそうです・・・
4.最後に
以上、ISOVOX 2の防音効果について、SoundCloudで無料公開されているテスト音源の音量解析によって推定検証してみた結果をお伝えしてきました。
結論としては
- SoundCloudで無料公開されているテスト音源からすると20dB以上の防音効果があり大いに期待できる
ということがいえそうです。
もっとも、実際には使用者の声(声質、声量など)や環境(構造、周囲状況等)は様々ですし、
今回解析したテスト音源については、
- 周波数帯域(歌声音域)は限られている(男声B3~F#4)
- 細かな測定条件はわからない
といった点もあるので、
- 20dBの防音効果で十分なのか?
- 条件によってはそこまで防音効果が得られないのではないか?
といった疑問は残ります。
例えば、一般的に防音が難しいといわれている低音や、開放となっているブースの下側の防音については、効果が弱いということもあるかもしれません(個人的な推測)。
とはいえ、このISOVOX 2は
- 防音室設置よりは導入ハードルが低い
- 口周りをふさぐ防音マスク系グッズよりは自然な歌声が出せる
といったメリットも考えられるので、
自宅で歌える防音環境を作りたい方にとっては、有力な検討候補の一つになりそうです。
(防音マスク系グッズと比べてどうなのか、気になる方は以下記事もご参考にしていただければ、と思います。)
今回の記事が
- ISOVOX 2の防音効果が気になる
- ISOVOX 2の導入を検討している
- 顔だけ防音できないか考えている
- 防音マスクよりも自然に歌える環境を探している
といった方のご参考になれば幸いです。