AudiostockでロイヤリティーフリーBGM2曲リリース
八雲橋かつなり名義で新たに、以下の通りBGM2曲をAudiostockにてリリースしました。
- 「Melancholic Chillout Gm 70 (Loop)」
- 「Dry Piano Riff Loop Fm 125」
前回同様、これら2曲とも、DAWソフト「ACID Pro 8」と波形編集ソフト「SOUND FORGE Audio Studio 12」を用いて制作しました。
それでは以下、今回のBGM制作の経緯、各曲の内容、おすすめの用途などについてお伝えします。
1.「Melancholic Chillout Gm 70 (Loop)」
ふわふわしたエフェクトが特徴のエレピ音をフィーチャーした、スローでメランコリックな雰囲気のチルアウト風BGMです。
楽器編成は、エレピ、ベース、ドラムです。
エレピ音源は、DAWソフト「ACID Pro 8」付属の「Electric Piano」を使いました。
最近Audiostockでリリースした曲には、BPM100や125のものが多かったので、「たまにはゆっくりした曲でも」ということで、BPMは70に。
最初にこのテンポでドラムを鳴らし、キーボードをこのエレピ音に設定して、思いつくままに弾いてみました(恒例の一人セッション)。
ある程度エレピのフレーズが固まった段階で、一度録音してみましたが、「これでOK」とはなりませんでした。
「何かが足りない」
このときのコード進行は、前半部でGm→F→E♭→Fを3回繰り返すというものでしたが、メリハリのようなものが感じられず「これでいいんだろうか」と思い、結局次のように修正することにしました。
- Gm→F→E♭→D(omit3)
- Gm→F→Gm7/C→D7
- Gm→F→E♭→Dm7
それぞれの最後をD系コードにすることで抒情性を強調、2番目のコード進行を変えることでメリハリをつけました。
コードネームで書くとこのようになりますが、コードネーム表記そのものは後付けです。
キーボードで試し弾きしながら修正の方向を探っていくと、このコード進行に落ち着いた、というのが実際です。
悲しげなメロディが強調された曲ですので、物語性のある映像モノ、ゲームによく合うのではないか、と思っています。
2.「Dry Piano Riff Loop Fm 125」
アップテンポなダンスビートチューン、楽器編成は、ピアノ、ベース、ドラムです。
ピアノ音源はiK Multimedia社の「SampleTank 3」のものを使いました。
ここ最近はエレピ曲ばかりでしたので、久々のアコースティックピアノ系楽曲になります。
この曲については、少々長くなりますので、節分けして説明していきます。
2-1.曲のルーツ
この曲のルーツは古く、このクールでドライな雰囲気のピアノリフとコード進行は、2001年頃既に出来上がっていたものです。
出来上がった当時から、このリフ+コード進行は気に入っており、J-POP的曲構成を持つロック系の歌モノとして曲を完成させようとしていました。
しかし、このイントロに負けない歌メロと曲構成を作り上げるのが難しく、未完成のまま放置状態に。
そして時は流れ、2010年。
一念発起、歌モノとしての完成を目指して制作を再開し、Aメロ、Bメロぐらいまで、大まかに歌メロ・曲構成を固めますが、肝心のサビが完成せず、やはり頓挫、その後再び放置状態となります。
そして2019年、「出来上がっている部分だけで曲を成立させられないか」と思い、短いループモノBGMとして制作を開始。
当初想定していたロック系ではなく、ダンスビートという形ではありますが、今回ようやく陽の目を見ることになった、というわけです。
2-2.今回のアレンジ
なぜ、今回ダンスビートの形に変更したのか。
ACID Pro 8のドラムループ音源でダンスビート風のものがあり、それを鳴らしながらこのピアノリフを弾いてみたところ、「意外にいけるかも」と、良い感触が得られましたので、ロック路線からダンス路線に変更しました。
この曲で特に工夫したのは次の2点です。
- ベースアンサンブル
- ピアノリフのニュアンス
まず1番目の「ベースアンサンブル」について。
当初からピアノの低音部とエレキベースは併存させるつもりでした。
しかし、元々想定していた「ピアノの低音部は8分刻み、エレキベースは16分刻み」というアンサンブルでは、「どうもしっくりこない」という結論に。
「いっそ、とことんユニゾンさせたらどうだろう」
と思って、打ち込み直し、鳴らしてみると何とも硬質な印象のベースラインに。
「これは面白い!」
ということで、このアレンジを採用しました。
続いて2番目に挙げた「ピアノリフのニュアンス」。
2001年頃から出来上がっているはずのピアノリフに、調整が入るとは思っていませんでした。
特に悩んだのは、和音の合間に入る2音のフレーズ。
当初は16分音符単位を想定していたのですが、改めて鳴らしてみると、どうもしっくりこない。
2音目の長さを64分音符単位で変えたりしましたが、うまくいかず・・・
しばらく、2音目の長さに注目して調整を続けていたのですが、ふと、
2音目の「長さ」ではなく、鳴らす「タイミング」の問題では?
と気付きました。
この気付きは正解で、この2音目を鳴らすタイミングを少し早めることで、鋭いニュアンスに。
「これだ!」
思えば、この2音は独立した2音として扱うのではなく、装飾音符を含んだ1つの音符としてとらえるべきであったな、と。
大昔に作った自分のフレーズからも学ぶことはあるものですね。
アップテンポなダンスチューンに仕上がっていますので、動きのある映像モノ、ゲームなどによく合うのではないでしょうか。
3.最後に
今回は、「Melancholic Chillout Gm 70 (Loop)」でコード進行に悩み、「Dry Piano Riff Loop Fm 125」でリズム(ニュアンス)に悩みました。
しかし、こうした悩みからの試行錯誤の結果、鳴らしたい音が鳴らせ、また一歩深く音楽を知ることができました。
これだから音楽は面白い!
今後も悩みに向き合いながら、楽曲音源制作を続けていきます。