ACID Pro 8でMIDIトラックの音が出ないときに確認したい5つのポイント
今回はDAWソフトACID Pro 8において、MIDIトラックの音が出ないときに確認したい5つのポイントと、それぞれの確認方法についてお伝えします。
楽曲音源制作初期の段階で、MIDIトラックの配置を行うことも多いと思いますが、このとき「MIDIトラックの音が出ない!」となると焦りますよね?
このようにMIDIトラックの音が出ないとき、次の5つを確認するとよいでしょう。
- ミュート&ソロ設定
- ボリューム設定
- ベロシティ設定
- ソフトシンセ音域
- MIDIチャンネル設定
私の経験上、MIDIトラックの音が出ないのは、これら5つが原因であることが大半なので、いずれかを是正することで解決する可能性が高いと思います。
それでは以下、詳しくみていきましょう。
1.ミュート&ソロ設定
「ミュート」とは、そのトラックの音を出なくするもの、「ソロ」とは、そのトラックのみの音を鳴らす(その他のトラックの音を出なくする)設定です。
これらミュート&ソロ設定によって、MIDIトラックの音が出なくなっている可能性があります。
これらミュート&ソロ設定状態は、以下の通り、タイムライン左側のパネル部にあるボタンの状態によって確認可能です。
- ミュート:タイムライン左側のパネル部にある「M」と書かれたボタンを押すとミュート有効、このときボタン周りが白くなる
- ソロ:タイムライン左側のパネル部にある「S」と書かれたボタンを押すとソロ有効、このときボタン周りが白くなる
また、これらの設定によって、音が出なくなったトラックのタイムラインは暗くなる(グレーアウトのイメージに近い)ので、それによっても各トラックの音状態が確認可能です。
まずはこのあたりを確認してみましょう。
2.ボリューム設定
ボリュームが-∞dB、あるいは極端に小さくなっていないかを確認します。
タイムライン左側のパネル部にある「ボリューム」で確認可能です。
MIDIパターンを打ち込む「MIDIトラック」と、使用するソフトシンセに対応する「ソフトシンセ」両方について確認が必要ですので注意しましょう。
3.ベロシティ設定
MIDIパターンのベロシティが1、あるいは極端に小さくなっていないかを確認します。
上部メニュー→「オプション」の「インライン MIDI編集を有効にする」をオンして、MIDIパターンのバーを右クリック→「ベロシティ」→「設定」と選択すると、現在のベロシティ設定値の確認と、値の修正が可能です。
4.ソフトシンセ音域
ソフトシンセには、音の出る範囲(音域)というものがあり、打ち込んだMIDIパターンが、ソフトシンセの音域外にある場合は音が出ません。
ソフトシンセの音域は、ソフトシンセプロパティやソフトシンセマニュアルで確認可能なことが多いですので、これらをチェックしてみるのがよいでしょう。
例えば、SampleTank 3の場合、以下の手順に基づき、ソフトシンセプロパティを選択して表示される、SampleTank 3の画面上で確認可能です。
- ソフトシンセプロパティを選択して、SampleTank 3の画面を表示させる
- 左上のタブ選択部で「PLAY」または「MIX」を選択
- 下方に鍵盤が表示される
- そこでグレーアウトされている鍵盤に対応する音は範囲外であると判断可能
5.MIDIチャンネル設定
ソフトシンセの中には、MIDIチャンネル1つ1つに音色を割り当てるタイプのものがあります(例:SampleTank 3)。
この場合、ソフトシンセ側で音色の割り当てられているMIDIチャンネル番号と、DAW(ACID Pro 8)側で割り当てられているMIDIチャンネル番号が合っていないと、音が出ません。
ACID Pro 8側で割り当てられているMIDIチャンネル番号は、以下の手順に基づいて確認可能です。
- MIDIトラックのタイムライン左側のパネル部にあるMIDI出力ボタン(「入力」ボタンの右隣にある鍵盤アイコン)をクリック
- 立ち上がったメニューにおいて「MIDIチャンネル」にカーソルを当てる
- MIDIチャンネル番号のリストが現れ、丸印が付されているものが、現在選択されているMIDIチャンネル番号であると判断可能
ソフトシンセ側のMIDIチャンネル番号の確認方法は、ソフトシンセの種類によって異なりますが、例えばSampleTank 3の場合は、以下の手順に基づいて確認可能です。
- ソフトシンセプロパティの選択でSampleTank 3の画面を表示させる
- 左上にあるタブ選択部で「PLAY」タブを選択したとき、「PART」の列にある数字がMIDIチャンネル番号であり、そこに意図通り音色が割り当てられているか(「INSTRUMENT」の列)を確認する
6.最後に
以上、DAWソフトACID Pro 8において、MIDIトラックの音が出ないときに確認したい5つのポイントと、それぞれの確認方法についてご紹介してきました。
繰り返しますが、MIDIトラックの音が出ないときの確認ポイントは次の5つです。
- ミュート&ソロ設定
- ボリューム設定
- ベロシティ設定
- ソフトシンセ音域
- MIDIチャンネル設定
私の経験上、これら5つが原因であることが大半なので、いずれかを是正することで解決する可能性が高いと思います。
個人的に盲点だと感じたのは、5番目に挙げたMIDIチャンネル設定です。
ソフトシンセには、全チャンネル同じ音色が出るタイプのものと、SampleTank 3のように、1チャンネルずつ音色を割り当てるタイプのものとがあり、後者の場合、特に注意が必要だと感じました。
楽曲制作着手時は、早く音を配置して鳴らしてみたいもの。
そこで音が出ないと、気が急いてしまいますが、冷静に1つ1つ確認していくようにしましょう(半分自戒)。