ウタエット プロの防音効果を検証してみた結果

(写真はイメージです)

今回は、ウタエット プロ防音効果を、類似品のボーカルダンパーBELTBOXとの比較により、簡易に検証してみた結果についてお伝えします。

ウタエット プロとは、防音系ボイトレグッズとして使えるウタエットシリーズの一種です。

他のタイプとしては、ウタエット(通常品)、ウタエット EX+があります。

ウタエット プロウタエット EX+は、通常品に比べてブレスリミット機能が強化された仕様になっています。

さて、以前、以下の記事において、「私個人の体感上、防音効果ウタエット プロ>BELTBOXである」というようなことを書きましたが、数値的にどの程度違うのか気になる方も多いのではないでしょうか。

防音可能なボーカルトレーニング器具のウタエット プロと、類似品のボーカルダンパーBELTBOXを、防音性能、ボイトレのしやすさ、鼻にかかった声の防音、臭い、手入れの5つの観点で比較し、両者の選び方まで解説。

そこで今回、ウタエット プロ使用時の声とBELTBOX使用時の声、それぞれICレコーダーを用いて録音し、音量レベルの比較を行ってみました。

その結果は以下の通りです。

音量差(ウタエット プロ-BELTBOX)の検証結果まとめ
発声種別 音程 発音 音量差(dB)
地声 B2 -7
A3 -7
E4 -16
F4 -14
-15
-13
-20
-13
裏声 E4 -20
A4 -5
B4 -7

上の表に示すように、音域(帯域)によって防音効果の差に違いはあるものの、全条件で音量差(ウタエット-BELTBOX)がマイナス値となっています。

つまり、ウタエット使用時の声の方が小さいということで、やはり体感通り防音効果ウタエット プロ>BELTBOXである」といえるかと思います。

もちろん測定にあたっては、「発声」や「口から録音マイクまでの距離」などの条件ばらつき(極力揃えたつもりですが)の影響もあるので、必ずしも毎回、この数値が得られるというわけではありませんが・・・

それでは以下、そのあたりも含めて詳しくみていきましょう!

1.測定条件

(写真はイメージです)

今回の検証を行うにあたって、まず、ウタエット プロBELTBOXそれぞれ使用したときの声を録音しました。

録音機材録音マイク(機材内蔵)までの距離、(自分の出す)声の条件は、それぞれ以下の通りです。

  • 録音機材:ICレコーダーICD-SX67(録音レベル10,マニュアルモード)
  • 録音マイクまでの距離:口からマイク(LR)まで直線距離約40cm(口よりやや下めの位置にマイクを配置)
  • 声の条件:下の表参照(これらを、ウタエット プロ、BELTBOXそれぞれの場合で発声)
声の条件
発声種別 音程 発音
地声 B2
A3
E4
F4
裏声 E4
A4
B4

と、簡単に書きましたが、各々もう少し詳しい事情がありますので、次に説明します。

(録音機材)ICレコーダーの録音設定の仕様は、いわばブラックボックス化されており、この設定でどれほど素直な録音が行えているのか、正直不明ですが、マニュアルモードなので、そこまで音量をいじるような処理は入らないかと思われます。

(録音マイクまでの距離)なるべく顔を動かさないように心がけましたが、厳密な静止というのも難しいので、恐らく多少の変動はあるかと思います。

(声の条件)今回の検証内容では、ウタエット プロとBELTBOXで2回同じ声を出す必要があり、それを踏まえて同じような声量、発声方法を心がけたつもりですが、何だかんだいって多少の違いはあるかと思います。

2.データ解析方法

ウタエット プロBELTBOX音量がどれくらい違うのかを比較します。

1で録音したものをWaveファイル化して、マスタリングソフト「Ozone 8 Elements」を用いて解析しました。

区間を切り出して(非リアルタイムで)解析するという方法がわからなかったので、「波形再生中の音量メーターRMS(dB)値(入力側)を確認する」という方法をとりました。

3.検証結果

各条件の音量レベル(RMS読み取り値)をまとめました。

音量差(ウタエット プロ-BELTBOX)の検証結果まとめ
発声種別 音程 発音 音量差(dB)
地声 B2 -7
A3 -7
E4 -16
F4 -14
-15
-13
-20
-13
裏声 E4 -20
A4 -5
B4 -7

表中の数値は「(ウタエット プロのdB値) - (BELTBOXのdB値)」です。

条件によって程度の差があり、また、測定や読み取りばらつきの影響もそれなりにあるかとは思いますが、全条件数値がマイナス、つまりウタエット プロの方が防音効果が高いということがわかります。

私の体感は間違っていませんでした!

もう少し傾向を詳しくみると「A3~E4あたりの中音域あたりで、最も防音性能差が顕著になっている」ということがいえるかと思います。

このA3~E4あたりの中音域は、様々な歌でよく使われるところなので、防音を考える上でも重要な領域でしょう。

今回示した結果にはもちろん、条件ばらつきの影響も含まれ、また、声質によっても音量差の数値は変わってくると思われますが、B2~B4まで測定してこの結果であれば、十分「ウタエット プロ防音性能は高い」といえるのではないでしょうか。

4.最後に

以上、ウタエット プロ防音効果を、類似品のボーカルダンパーBELTBOXとの比較により、簡易に検証してみた結果についてお伝えしてきました。

以前、以下の記事において、「私個人の体感上、防音効果ウタエット プロ>BELTBOXである」というようなことを書きましたが・・・

防音可能なボーカルトレーニング器具のウタエット プロと、類似品のボーカルダンパーBELTBOXを、防音性能、ボイトレのしやすさ、鼻にかかった声の防音、臭い、手入れの5つの観点で比較し、両者の選び方まで解説。

今回のこの結果をみても「やはりこの感覚は間違っていなかった」ということがわかりました。

音量差(ウタエット プロ-BELTBOX)の検証結果まとめ
発声種別 音程 発音 音量差(dB)
地声 B2 -7
A3 -7
E4 -16
F4 -14
-15
-13
-20
-13
裏声 E4 -20
A4 -5
B4 -7

今回示した結果にはもちろん、条件ばらつきの影響も含まれ、また、声質によっても音量差の数値は変わってくると思われますが、B2~B4まで測定してこの結果であれば、十分「ウタエット プロ防音効果高い」といえるのではないでしょうか。

今回の記事が、自宅でのボイトレや歌の練習を考えている方、ウタエット プロなどの防音マスク系グッズを検討されている方の参考になれば幸いです。