音楽サブスクリプションでギャップレス再生可能か調べてみた(スマホ編)~Google Play Music&楽天ミュージック~

最近徐々に浸透しつつある、ストリーミングベースの音楽サブスクリプション(定額制音楽配信)サービス。

各社で差はあるものの、大体、

数千万曲レベルの曲

月1000円前後の料金で聴き放題

というのが主な魅力で、

そのラインナップには、貴重なライヴ演奏を収めたライヴアルバムも数多く含まれていたりします。

まさに至れり尽くせり!

といったところですね。

こうしたライヴアルバムの特徴の1つが、

曲と曲の間(曲間、またはギャップという)がつながっている場合が多い

ということ。

曲間がつながっている

といえば、

  • ノンストップミックスアルバム
  • コンセプト(トータル)アルバム

などといったアルバムも当てはまりますね。

このように、元々曲間がつながったアルバムは、そのまま曲間なし(ギャップレス再生)で楽しみたいもの。

ですが、音楽サブスクリプション(定額制音楽配信)サービスによって、再生仕様は様々。

必ずしもギャップレス再生できるとは限りません

となると、音楽サブスクリプション(定額制音楽配信)サービスをこれから検討する場合、

月額1000円前後のプランを申し込んだあげくギャップレス再生できなかったら?

心配になってくるのではないでしょうか?

そこで今回は、

音楽サブスクリプション(定額制音楽配信)サービスのギャップレス再生対応具合探るべく、

個人的に馴染みのある、
  • Google Play Music
  • 楽天ミュージック

Androidアプリを対象に、オンライン再生時曲間(ギャップ)時間を実測検証してみました。

最初にざっと結論を示します。

  • Google Play Musicの方がギャップレス再生近い(曲間時間ほぼ数十ms レベル)

どちらも完全なギャップレス再生というわけにはいきませんが、

Google Play Musicなら、

よほど集中していなければ気にならないレベルの途切れで済みます(突発的な通信&処理速度低下などのトラブル時を除く)。

ギャップレス再生こだわる場合、

楽天ミュージックよりGoogle Play Music良いかも!?

それでは以下、詳しくみていきましょう!

1.検証方法、条件など

検証方法、条件などを以下にまとめます。

  • 使用機器(アプリ)Androidスマートフォン
  • 対象Mr.Childrenの「深海」1曲目「Dive」~2曲目「シーラカンス」の曲間(無音部分)
  • 方法オンライン再生連続5回ずつ測定(条件変更ごとにキャッシュ削除)
  • 条件通信速度2パターン×音質3パターン合計6パターン

一部、補足説明します。

1-1.対象

曲間が明確につながっているものということで、個人的に古くからなじみのある、このアルバムにしました。

1曲目「Dive」~2曲目「シーラカンス」は、本来、無音部分なしでスムーズにつながっていますが、ギャップレス再生ではない場合、無音部分が生じ得ると考えられます。

1-2.方法

通信速度や処理速度のばらつきを考慮して、測定を5回繰り返すことにしました。

また、繰り返し再生するとキャッシュがたまって、処理速度が上がる可能性があるため、

条件を変えるたびキャッシュ削除しました。

なお、これだと、同じ条件で5回繰り返している間は、キャッシュの影響を受ける可能性がありますが、

  • 実用上はキャッシュありの状態での再生も少なくない
  • 条件ごとの違いがわかればよい

との考えから、1回再生ごとのキャッシュ削除は行いませんでした。

1-3.条件

通信速度と再生音質設定によって、読み込み時間が変わると考えられるため、
  • 通信速度(公称300kbps)/(公称225Mbps)→2パターン
  • 再生音質/中(標準)/3パターン

の組み合わせ(2×3)で、合計6パターンとしました。

2.検証結果

どちらも完全なギャップレス再生というわけにはいきませんでしたが、総じて、

  • Google Play Musicの方がギャップレス再生近い

という結果になりました。

以下、各条件における、無音時間データを示します(水色が楽天ミュージック、オレンジ色がGoogle Play Music)。

           
Google Play Musicと楽天ミュージックのギャップ(曲間)時間測定結果(低速通信+低音質)
 
Google Play Musicと楽天ミュージックのギャップ(曲間)時間測定結果(高速通信+低音質)
 
Google Play Musicと楽天ミュージックのギャップ(曲間)時間測定結果(低速通信+中音質)
 
Google Play Musicと楽天ミュージックのギャップ(曲間)時間測定結果(高速通信+中音質)
 
Google Play Musicと楽天ミュージックのギャップ(曲間)時間測定結果(低速通信+高音質)
 
Google Play Musicと楽天ミュージックのギャップ(曲間)時間測定結果(高速通信+高音質)
 

なお、(2)では、Google Play Musicの一部データで、楽天ミュージック以上のギャップが生じているところがあります。

縦軸を拡大するとこうなります。

Google Play Musicと楽天ミュージックのギャップ(曲間)時間測定結果(低速通信+中音質)-縦軸拡大

ただ、これよりも高負荷な条件(3)ではこうした現象が起きていないことから、偶発的な通信または処理速度低下が原因思われます

また、(4)ではGoogle Play Musicで無音時間が0となっていますが、

これは波形上、無音部分に該当する箇所を見つけられなかったということを意味します。

(4)でも、よく聴けば、曲間で音が途切れていることを十分確認できるレベルなので、ギャップレス再生とはいえません

その他特徴としては、

  • 通信速度が速ければ無音時間が短くなるというわけではない
  • 基本的に、楽天ミュージックでは数百msGoogle Play Musicでは数十ms程度無音時間は避けられない

といった点が挙げられます。

Google Play Music数十msというレベルの無音時間は、よほど集中して聴いていない限り、まず無視できるものと考えてよいでしょう。

3.最後に

以上、

  • Google Play Music
  • 楽天ミュージック

Androidアプリを対象に、

オンライン再生時曲間(ギャップ)を実測した結果をお伝えしてきました。

結論は、

  • Google Play Musicの方がギャップレス再生近い(曲間時間ほぼ数十ms レベル)

です。

以前から体感上、

Google Play Musicの方がサクサク動く印象

がありましたが、今回の実測で一層、その感覚に確信を持つことができました。

というわけで、ギャップレス再生こだわる場合、

  • Google Play Musicの方が精神衛生上おすすめ

といえます(楽天ミュージックとの比較)。

音楽サブスクリプション(定額制音楽配信)サービス検討などの際、今回のこの記事がお役に立てれば幸いです。