PICKBOY(ピックボーイ)湿度計AA-150、本当に使い物になるのか実測確認してみた
今回はギターケースの湿度管理に使えるPICKBOY(ピックボーイ)湿度計AA-150の特性を簡易に測定してみた結果などを中心にお伝えします。
ズバリ、こんな方に特におススメの内容です。
- ギターケース内の湿度が気になる
- ギターケースに入れる湿度計を探している
- 電源不要な湿度計を探している
- PICKBOY(ピックボーイ)湿度計AA-150の湿度測定精度が気になる
ギター保管方法の一つとして、ギターケース(ハード)への収納が挙げられます。
このギターケースには「調湿剤を入れると良い」とされていますが、それでも
「本当に湿度は大丈夫なのか?」
と、湿度を確認したくなるのではないでしょうか?
湿度を確認、すなわち計測するには湿度計ということで、
「ギターケースに湿度計を入れる」
という発想がここで出てきます。
そうしてギターケース内の湿度を定期的に確認するようにしておけば、
- ギターケースに入れている調湿剤をそろそろ交換した方がよいのか?
- そもそもギターケースの置き場所を変えた方がよいのか?
など、状況に応じた判断&処置が行えます。
さて、今回取り上げるPICKBOY(ピックボーイ)湿度計AA-150、ネット通販で比較的安価に入手できるのですが、
「安価」と聞くと、
「本当に使い物になるのか?」
と気になるものだと思います。
結論的には、以下を押さえておけば、安心してPICKBOY(ピックボーイ)湿度計をギターケースの湿度管理に使っていけると思います。
- PICKBOY(ピックボーイ)湿度計AA-150は湿度変化に応じて、それなりにきちんと表示値変化する
- PICKBOY(ピックボーイ)湿度計AA-150の湿度表示値は(今回測定に使用した時計表示値に比べて)やや高め(1.1倍程度)に出る傾向
- それでも大まかな(10%単位程度の)湿度管理であれば十分使用可能な印象
このPICKBOY(ピックボーイ)湿度計AA-150を用いて、ギターケース内の湿度管理を行うこと。
それには次のようなメリットがあります。
- ギターケース内の湿度が確認できるので安心
- マジックテープがついているので、ハードケース内に固定して使用可能(ハードケース仕様による)
- 比較的安価なので何個ものギターケースに湿度計を入れる場合でも負担が少なめ
「湿度管理」
と聞くと大げさですが、こうしてみてみると、
「意外と簡単にできそう?」
と思われるのではないでしょうか?
それでは以下、詳しくみていきましょう!
1.PICKBOY(ピックボーイ)湿度計AA-150の特徴
最初にPICKBOY(ピックボーイ)湿度計AA-150のメリット、デメリットをここでまとめておきます。
1-1.メリット
- 比較的安価
- 電源/電池不要
- 比較的小型でギターケースに入れやすい
- 比較的軽くて扱いやすい
冒頭でもお伝えしている通り、この湿度計、ネット通販で割と安価に入手可能です。
タイプとしてはアナログ式で、電源も電池も不要ですので、
- 「コードをつながなきゃ」
- 「電池をそろそろ交換しなければ」
などと気をもむ(?)必要はありません。
また、比較的小型で軽く、ギターケース内に入れるには非常に適した湿度計であるといえます。
1-2.デメリット
- デジタル/リモート管理できない(いちいちギターケースを開けないと湿度がわからない)
- 寿命が不明
このPICKBOY(ピックボーイ)湿度計AA-150、構造的には小型、軽量でよいのですが、
電源/電池不要ということなので、
「スマホなどと通信してリアルタイム&リモートで湿度測定」
といったことができません。
ギターケース内の湿度を知るには、その都度ギターケースを開ける必要がありますので、その点は手間になります。
また、電源/電池不要というのはよいのですが、そもそも
「いつまで正常に動くのだろうか?」
という疑問があります。
商品に付いてくる説明書は簡単なもので、精度についても言及はありませんし、そうした寿命についての記載も一切見当たりませんでした。
もっとも、これはPICKBOY(ピックボーイ)湿度計AA-150に限った話ではないのかもしれませんが、長期にわたって使っていく上では気になるところです。
2.PICKBOY(ピックボーイ)湿度計AA-150表示値傾向の検証
「PICKBOY(ピックボーイ)湿度計AA-150の湿度表示値がどれほど妥当なのか?」
を知るために、
「私が普段使っているデジタル時計(NQ501S)の湿度表示値との値比較」
という形で簡易に検証を行いました。
以下、検証方法、検証結果、考察、という流れで、その内容をお伝えしていきます。
2-1.検証方法
以下のような要領で行いました。
- PICKBOY(ピックボーイ)湿度計AA-150と湿度表示機能付き時計(NQ501S)を並べて室内に配置
- 双方の湿度表示値を220組記録
比較対象の湿度計として、もっと本格的なものを別途用意した方が、より正確な特性がわかると思うのですが、
そのような湿度計としてどのようなものを選べばよいのか、泥沼にハマりそうな気がしたので、普段使いのものをそのまま使用しました。
ちなみに、時計(NQ501S)の方の湿度表示仕様を説明書で確認すると、
湿度測定範囲:25%RH~85%RH 測定精度±8%(測定範囲内での精度25℃で±8%)
となっておりました。
日常生活における湿度管理にはそれほど支障のないレベルだと思いますが、
今回測定にあたっては、少なくともそれぐらいの誤差は覚悟しなければならないようです。
また、測定頻度は1日1回以下(つまり毎日ではない)で、
湿度30%台~70%台(時計表示値ベース)を含む220組のデータを数か月にわたって記録していきました。
2-2.検証結果
最初に、
- 横軸:時計表示値
- 縦軸:PICKBOY(ピックボーイ)湿度計AA-150表示値
としたグラフを示します。
ばらつきはあるものの、概ね直線関係の傾向がみてとれるので、PICKBOY(ピックボーイ)湿度計AA-150で
「湿度変化はそれなりにわかる」
といえます。
ですので、PICKBOY(ピックボーイ)湿度計AA-150は
「使い物にはなる」
と判断できます。
また、近似直線を引いてみると、傾きは約1.1、切片は約1なので、
「時計表示の湿度値に対して、約1.1倍の値が表示される」
ことになります(わずかな切片を無視すれば)。
もっとも、これは当然、比較対象とした時計の表示精度にも依存するので、例えば別の湿度計などを比較対象とすれば、変わってくる可能性はあります。
ですので、値そのものはあくまで参考値ですが、少なくとも「こういうことが起き得る」というぐらいには認識しておいた方が良さそうです。
2-3.考察
2-2において、主要な結論をお伝えしましたが、その他次のような傾向が確認できました。
- 時計の湿度表示値が同じときでも、PICKBOY(ピックボーイ)湿度計AA-150の湿度表示値には±10数程度のばらつきがある
- たまにPICKBOY(ピックボーイ)湿度計AA-150の湿度表示値が時計と同等、それ以下になることもある
上のグラフからもわかるのですが、およそ直線関係と言いながら、その幅はかなり太いです。
ばらつきの要因としては、PICKBOY(ピックボーイ)湿度計AA-150そのものの特性に起因すると思われるものの他、
- 温度が異なる
- (比較対象である)時計の湿度表示値がばらついている
- 空気中の湿度が均一でない
- 湿度変化の最中に測定してしまった
ことなどが考えられます。
今回、比較対象とした時計の方の湿度表示精度がそれほど高くはなく、
また測定自体もあまり厳密なものではないため、
致し方ないところは少なからずあるかと思います。
とはいえ、今回検証結果で大まかな傾向は把握できたので「ひとまず良し」としたいと思います。
3.最後に
以上、PICKBOY(ピックボーイ)湿度計AA-150のメリット&デメリットから、その湿度表示値の傾向検証結果までをお伝えしてきました。
最後に要点をまとめておきます。
- PICKBOY(ピックボーイ)湿度計AA-150は湿度変化に応じて、それなりにきちんと表示値変化する
- PICKBOY(ピックボーイ)湿度計AA-150の湿度表示値は(今回測定に使用した時計表示値に比べて)やや高め(1.1倍程度)に出る傾向
- それでも大まかな(10%単位程度の)湿度管理であれば十分使用可能な印象
このPICKBOY(ピックボーイ)湿度計AA-150を用いて、ギターケース内の湿度管理を行うこと。
それには次のようなメリットがあります。
- ギターケース内の湿度が確認できるので安心
- マジックテープがついているので、ハードケース内に固定して使用可能(ハードケース仕様による)
- 比較的安価なので何個ものギターケースに湿度計を入れる場合でも負担が少なめ
私自身、既に何個か購入しており、ギターケース内の湿度管理に役立てることができています。
今回の記事が
- ギターケース内の湿度が気になる
- ギターケースに入れる湿度計を探している
- 電源不要な湿度計を探している
- PICKBOY(ピックボーイ)湿度計AA-150の湿度測定精度が気になる
といった方のご参考になれば幸いです。