ギターを持たないで練習する方法
今回はギターを持たないで練習(所有しないで練習)する2つの方法、及びそれら2方法のコスパ面などのメリット&デメリットまでをお伝えします。
ズバリ、こんな方に特におススメの内容です。
- ギターを練習する時間がそれほどない
- 移動(引っ越し)が多い
ギターは買って練習するもの・・・
確かに基本的にはその方が良い場合が多いのですが、ギターを買っても
- ギターを練習する時間がそれほどない
- 移動(引っ越し)が多い
といった場合には、
ギターを持たずに(所有せずに)レンタルして練習する方が、面倒なメンテ(管理)から解放されて有利だと思います。
ギターを持たないで練習(所有しないで練習)する方法としては次の2つがあります。
- 郵送系ギターレンタルサービスを利用する
- ギターレンタル可能なスタジオを予約する
どちらがよいのかは、各自の事情(諸条件)に依存しますが、その中でもやはりコスパは重要でしょう。
というわけで、コスパ面で考えると、次のような結論がいえます。
- 低頻度の練習を長期間続けるならスタジオ予約が有利
- 短期集中の練習を時々やるなら郵送系ギターレンタルサービス利用が有利
というのもその理由として、
- 郵送系ギターレンタルサービスには最低利用期間があり、その期間は1か月であることが多い
- スタジオ予約でギターレンタルする場合は、その都度のレンタルで済む
- ただしスタジオ予約は郵送系ギターレンタルサービスに比べて割高
といった事情があるためです。
郵送系ギターレンタルサービスとしては、最低レンタル期間1か月で月額1,000円台から利用可能な「スターペグミュージック」があります。
なお、郵送系ギターレンタルサービス、スタジオでのギターレンタル、両者に共通するデメリットとして以下2点が挙げられます。
- レンタルできるギターの種類に限りがある
- いつでもレンタルできるとは限らない
概要としては以上の通りですが、その他
- どのぐらいの使用頻度であれば元が取れるのか?
- どのようなギターがレンタルできるものなのか?
色々気になるところがあるかと思います。
というわけで、以下、詳しくみていきましょう!
1.郵送系ギターレンタルサービス
ギターを持たないで練習(所有しないで練習)する手段の1つ「郵送系ギターレンタルサービスの利用」。
個人が気軽に利用できるサービスとしては以下3つがあります。
このうち、スタジオでレンタルできるようなクラスのFender系ギター(「Fender」を冠したFender American、Fender Japan、Fender Mexicoなどのモデル)がレンタルできるのはスターペグミュージックになります(調査時点(2021年4月)では)。
どのサービスも最低1か月分の料金支払い必要ですので、利用に向いている人は、
少なくとも1か月間は集中して練習できる人
であり、逆に向いていない人は
低頻度の練習を長期継続する人
といったことがいえます。
後にスタジオでのギターレンタルとの比較を行いますが、郵送系ギターレンタルサービスのメリットとして次の2点が挙げられます。
- 自宅で利用できる
- スタジオよりもレンタルラインナップが豊富なことが期待できる
逆にデメリットとしては、先ほど挙げた「最低1か月分の料金支払い必要」な点の他、
スタジオに比べると長期間の管理が必要
といった点が挙げられます。
2.スタジオ予約でのギターレンタル
ギターを持たないで練習(所有しないで練習)する、もう1つの手段「スタジオ予約でのギターレンタル」。
その名の通り、スタジオ予約時にギターをレンタルするものです。
ギターレンタル可能なスタジオの例としては、
- 東京ならサウンドスタジオノア
- 京阪名神なら音楽スタジオ246
があります。
料金やシステムはスタジオごとに異なりますが、大体は
- 料金はスタジオ自体の利用料金+ギターレンタル料金
- 1回ごとの料金支払いでOK
といった仕組みになっているかと思います。
ですので、スタジオ予約でのギターレンタルに向いている人は、
低頻度の練習を長期継続する人
であり、逆に向いていない人は
短期集中(高頻度)で練習する人
といったことがいえます。
その他、郵送系ギターレンタルサービスにないメリットとして次の2点が挙げられます。
- 備え付けギターアンプがあれば利用できる
- 自宅よりは大音量で練習できる
逆にデメリットとしては、次の3点が挙げられます。
- 対応可能な場所(地域)が限られる
- 1人利用なら「個人練習」プランが最も安いことが多いが、大抵前日にしか予約できない(ギターレンタルできない可能性あり)
- 「個人練習」プラン以外の場合、スタジオ自体の利用料金(部屋代)が高いことが多い
3.両者の使い分け
以上、郵送系ギターレンタルサービス、スタジオでのギターレンタル、それぞれの特徴(用途ごとの向き不向き、メリット&デメリットなど)をみてきました。
どちらも「ギターを持たないで練習(所有しないで練習)するための有効な手段」ですが、ここでは両者の使い分けについて考えてみます。
郵送系ギターレンタルサービスをお得に利用するには、
「練習頻度がそれなりに高いこと」
が必要ですが、それでは
どれぐらいの頻度であれば元が取れるのでしょうか?
この答えを出すために、少し試算をしてみます。
といっても、スタジオは様々、レンタルするギターも様々、そもそも1回の練習時間も様々であったりするので、前提次第でその答えは変わってきます。
ここではまず以下の基本的前提(仮定)を置きます。
- スタジオ:サウンドスタジオノア(渋谷1号、渋谷2号、恵比寿、代々木、新宿)(1人利用)
- 郵送系ギターレンタルサービス:スターペグミュージック(短期の1か月契約)
- 使用ギター:Fender系ギター(「Fender」を冠したモデル)
- 1回の練習時間:2時間
- 試算に用いる各種データ(料金、プランなど含む):調査時点(2021年4月)のもの
スタジオの料金ですが、今回の前提としたサウンドスタジオノア(渋谷1号、渋谷2号、恵比寿、代々木、新宿)の場合、ギターレンタル料金は220~330円とあまり価格差がありません。
しかし、予約する部屋及びプランによって、全体の利用料金が大きく異なります。
また、郵送系ギターレンタルサービス(スターペグミュージック)の方も、レンタルするギターの種類によって、大きく料金が異なってきます。
ですので、双方の利用条件をどのように想定するかで「元が取れる練習頻度」の値が大きく変わってきます。
そこで、郵送系ギターレンタルサービス(スターペグミュージック)で元が取れる練習頻度の試算条件を以下の通り分けます。
- (「元が取れる練習頻度」が多めに出る条件)スタジオ料金最低×郵送系ギターレンタルサービス料金最高
- (「元が取れる練習頻度」が少なめに出る条件)スタジオ料金×郵送系ギターレンタルサービス料金最低
1つ目の条件は、スタジオ(サウンドスタジオノア)が安く利用出来て、郵送系ギターレンタルサービス(スターペグミュージック)での費用がかさむ場合を想定したものなので、元を取るハードルが最も高く、
2つ目の条件は、スタジオ(サウンドスタジオノア)での費用がかさんで、郵送系ギターレンタルサービス(スターペグミュージック)が安く利用できる場合を想定したものなので、元を取るハードルが最も低くなります。
それでは以下、詳しく説明しながら試算していきます。
3-1.「元が取れる練習頻度」が多めに出る条件
結論は以下の通りです。
- スターペグミュージックで元が取れる練習頻度:16回/月(2時間/回)
1か月(4週間強)の間に16回ですから、毎日練習するまでもなく、およそ1週間に4回練習するぐらいで元が取れることになりますね。
今回の試算に用いたサウンドスタジオノア、郵送系ギターレンタルサービス(スターペグミュージック)それぞれの料金は以下の通りです。
- サウンドスタジオノア最低利用料金(上記前提内1回分):1,540円(2時間/回)
- スターペグミュージック最高利用料金(上記前提内1か月分):23,375円/月(送料等他の付随料金除く)
以下、計算過程などを少し詳しく説明します。
サウンドスタジオノアには「個人練習」というプランがあります。
これは1~2人利用時が対象のものですが、今回は1人利用を前提としているので、このプランが使えます。
この「個人練習」の最低料金は660円(1時間)なので、2時間で660×2=1,320円、
ギターレンタル料金は最低220円なので、上記金額と合計すると1,320+220=1,540円となります。
一方、郵送系ギターレンタルサービス(スターペグミュージック)でFender系ギターをレンタルする場合の最高料金は23,375円(1か月契約)です。
- サウンドスタジオノア最低利用料金(上記前提内1回分):1,540円(2時間/回)
- スターペグミュージック最高利用料金(上記前提内1か月分):23,375円/月(送料等他の付随料金除く)
スターペグミュージック最高利用料金23,375円をスタジオノア最低利用料金1,540円で割ると23,375/1,540≒15.2となり、元を取れる回数としてはこれを上回る整数ですから「16回」となります。
ちなみに、この試算で想定した料金でレンタルできるFender系ギターの例としては、
- サウンドスタジオノア:「Fender USA American Professional」シリーズのストラトキャスター、テレキャスター(渋谷2号店)
- スターペグミュージック:Fender American Stratocaster SUNBURST/M 2006 60th Anniversary(ストラトキャスター)
が挙げられます。
サウンドスタジオノアでレンタルできる「Fender USA American Professional」シリーズは新品だと購入価格およそ十数万~20万円弱で売られていることが多いギター(調査時点(2021年4月)の情報)、
スターペグミュージックでレンタルできる「Fender American Stratocaster SUNBURST/M 2006 60th Anniversary」は情報が見つかりませんでしたが、「Fender American Stratocaster」シリーズ自体は、中古品だと購入価格10万円台で売られていることもあるギターです(調査時点(2021年4月)の情報)。
3-2.「元が取れる練習頻度」が少なめに出る条件
結論は以下の通りです。
- スターペグミュージックで元が取れる練習頻度:1回/月(2時間/回)
こちらはもう月1回でも練習すれば元が取れるわけですから、かなりハードルが低いですね。
今回の試算に用いたサウンドスタジオノア、郵送系ギターレンタルサービス(スターペグミュージック)それぞれの料金は以下の通りです。
- サウンドスタジオノア最高利用料金(上記前提内1回分):11,330円(2時間/回)
- スターペグミュージック最低利用料金(上記前提内1か月分):7,073円/月(送料等他の付随料金除く)
3-1で示した場合に比べると、スタジオ料金がグッと上がっています。
以下、計算過程などを少し詳しく説明します。
サウンドスタジオノアの方の計算において、先ほどの3-1では「個人練習」というプランを想定しました。
このプラン、個人で練習する分には最も安く利用できるのですが、前日からしか予約できません。
もう少し前から予約しようとすると、通常のスタジオ予約をする必要があります。
この場合、(例外はあるかもしれませんが)基本的には個人練習よりも料金が高くなります(広い部屋ほど料金が高い)。
1人利用であれば「狭くて料金が安い」部屋で十分ですが、予約状況によってはそのような部屋が取れず、やむを得ず「無駄に広くて料金の高い部屋」を予約するしかない場合もあります。
サウンドスタジオノア5店舗の料金を調べると、5,500円(1時間)が最も高い部屋のようでしたので、ここではこの値を使っています。
これを2時間分予約すると5,500×2=11,000円、
ギターレンタル料金は最高330円なので、上記金額と合計すると11,000+330=11,330円となります。
一方、郵送系ギターレンタルサービス(スターペグミュージック)でFender系ギターをレンタルする場合の最低料金は7,073円(1か月契約)です。
- サウンドスタジオノア最高利用料金(上記前提内1回分):11,330円(2時間/回)
- スターペグミュージック最低利用料金(上記前提内1か月分):7,073円/月(送料等他の付随料金除く)
スターペグミュージック最低利用料金7,073円をスタジオノア最高利用料金11,330円で割ると7,073/11,330≒0.62となり、元を取れる回数としてはこれを上回る整数ですから「1回」となります。
ちなみに、この試算で想定した料金でレンタルできるFender系ギターの例としては、
- サウンドスタジオノア:「Fender American Elite」シリーズのストラトキャスター、テレキャスター(恵比寿店)
- スターペグミュージック:Fender Japan ST-43(ストラトキャスター)
が挙げられます。
サウンドスタジオノアでレンタルできる「Fender American Elite」シリーズは新品だと購入価格およそ20万円弱~20万円台で売られていることが多いギター(調査時点(2021年4月)の情報)、
スターペグミュージックでレンタルできるFender Japan ST-43は既に生産終了品で、基本的に入手困難ですが、中古品だと購入価格数万円台で売られていることもあるギターです(調査時点(2021年4月)の情報)。
以下、必ずしも各サービスでレンタルできるモデルそのものではない(色、その他仕様が異なる場合がある)と思いますが、ご参考までに。
4.最後に
以上、ギターを持たないで練習(所有しないで練習)する2つの方法、及びそれら2方法のコスパ面などのメリット&デメリットまでをお伝えしてきました。
ここでもう一度要点をまとめます。
まず、ギターを持たないで練習(所有しないで練習)する方法としては次の2つ。
- 郵送系ギターレンタルサービスを利用する
- ギターレンタル可能なスタジオを予約する
どちらがよいのかについて、コスパ面で考えると、次のような結論がいえます。
- 低頻度の練習を長期間続けるならスタジオ予約が有利
- 短期集中の練習を時々やるなら郵送系ギターレンタルサービス利用が有利
その理由としては以下のような事情が挙げられます。
- 郵送系ギターレンタルサービスには最低利用期間があり、その期間は1か月であることが多い
- スタジオ予約でギターレンタルする場合は、その都度のレンタルで済む
- ただしスタジオ予約は郵送系ギターレンタルサービスに比べて割高
郵送系ギターレンタルサービスとしては、最低レンタル期間1か月で月額1,000円台から利用可能な「スターペグミュージック」があります。
なお、郵送系ギターレンタルサービス、スタジオでのギターレンタル、両者に共通するデメリットとして以下2点が挙げられます。
- レンタルできるギターの種類に限りがある
- いつでもレンタルできるとは限らない
とはいえ、このようなデメリットがあってもギター所有につきまとうメンテ(管理)の手間から解放されるのは一つ魅力だと思います。
今回の記事が、
- ギターを練習する時間がそれほどない
- 移動(引っ越し)が多い
といった事情などで、ギターを持たないで練習(所有しないで練習)する方法を模索している方のご参考になれば幸いです。