DTMで時間を無駄にしないための時短方法
今回はDTM(音楽制作)における時間の無駄をなくす(減らす)ための手段として、確認(モニタ)時間を減らす方法についてお伝えします。
ズバリ、こんな方に特におススメの内容です。
- DTMで時間を無駄に消費している気がする
- DTMの時短方法を知りたい
- 曲をたくさん作りたい
DTM(音楽制作)は時間がかかる・・・
元より鑑賞するのにも時間のかかる音楽のこと、
それを作るために膨大な時間がかかるのは致し方ありません。
しかし、無駄な時間は省かなくてはなりません。
DTMには様々な工程時間がありますが、特に無駄が起きやすいのは
「確認する時間」
です。
- 「これでよいのだろうか」
- 「もう少し聴いてみるか」
などといって、やみくもに確認を繰り返していると、あっという間に時間が過ぎていってしまいます。
どうすればよいのでしょうか?
ざっと結論を先にお伝えしておくと、基本的に次の2方針に基づいて確認するのがおススメです。
- トータルで聴いて違和感がなければ良し
- どうしても気になるところは目視確認
もっとも、この「違和感」をどう定義するか、個々人のセンスに委ねられるところではありますが・・・
そのあたり含め、以下、詳しくみていきましょう!
1.DTM(音楽制作)における時間の使い方
最初にまず、
なぜ「確認する時間」をターゲットにするのか、
について一通り触れておきます。
DTMにおいては、曲の構想を練るところから、音源の最終的な仕上げ(いわゆるマスタリング)まで、様々な工程があります。
が、時間の使い方の観点で分類すると、DTM作業時間は次の3つの時間に大別されます。
- 考える時間
- 作る時間
- 確認する時間
もう少し具体的に説明しますと、
- 考える時間:作り出すために必要な時間(曲構想設計、アレンジ方針など)
- 作る時間:作り出すために必要な時間(MIDI打ち込み、録音、パラメータ設定など)
- 確認する時間:クオリティ(品質)を確保するために必要な時間(モニタリング)
といった具合になります。
今回ターゲットとするのは3つ目の「確認する時間」ですが、それは、
ここが最も工夫の余地があり、大きな改善効果が見込めるところと考えられるためです。
というのも、
- 「考える時間」はセンス次第、すぐには時短できない
- 「作る時間」は操作の最適化、自動化ツールの使用などで対応可能だが、そもそも他の2つの時間に比べてインパクトが小さい
といった特徴があるためです。
時間の長さでいえば「考える時間」も「確認する時間」と同じぐらい長くなりがちです。
が、素早くアイデアなどを考え出せるようになるためには、経験を積んで引き出しを増やすプロセスが必要です。
ですので、あまり工夫の余地がありません。
逆に、工夫の余地でいえば「作る時間」も「確認する時間」と同じくらいありますが、そもそも他2つの時間に比べて、意外にそれほど時間はかかっていないことが多いと思います。
DTM作業時間を測ってみると分かるのですが、大した変更は加えていないのに、恐ろしく時間が経っている・・・
そんなことはザラです。
これは、操作そのものよりも、考えたり、確認したりすることに、より多くの時間が取られているためと考えられます(私個人の体験に基づく見解)。
2.確認する時間を減らす方法
では「確認する時間」を減らすにはどうすればよいでしょうか?
簡単な方針を立てておきましょう。
基本的には、次の2方針に基づいて確認するのがおススメです。
- トータルで聴いて違和感がなければ良し
- どうしても気になるところは目視確認
これだけ書くとかなりアバウトに感じる方も多いでしょうから、以下、それぞれ少し詳しく説明していきます。
2-1.トータルで聴いて違和感がなければ良し
DTMにおいては、通常2つ以上のトラック(楽器)を重ねて楽曲音源を仕立てることが多いです。
ですので、トラック(楽器)単体の確認もしていきたいと思うのが人情というもの。
実際、私自身もそのようにトラック(楽器)単体の確認を行ってきました。
が、作業時間を今以上に減らしたいのであれば、そこは割り切ってもよいと思います。
結局、全トラック(楽器)混ぜこぜの状態でしか聴かれないわけですから。
例えば、トラック(楽器)単体で聴けば気になるノイズや演奏ミスなども、トータル(全ミックス状態)で聴いて気にならなければ放置でよいでしょう。
ただし、トータルで聴いて違和感が出てきた場合には、トラック(楽器)単体の確認&処置も辞さずに向き合っていかねばなりません。
逆に言えば、トータルで聴いて違和感がないうちは、むやみにトラック(楽器)単体の確認を行って調整などしたりしない、というわけですね。
慎重派の方々にはなかなか勇気の要ることですが、この勇気を発揮しなければなかなか作業時間は減りません。
これまで通り「着実&慎重」でいくのか、「品質&時短バランス」でいくのか、一つ決断が必要になってきます。
さて、次に問題となるのはこの「違和感」の具体的内容。
ここが漠然としていると、
- 「本当にこれでよいのか?」
- 「もう5回ぐらい聴いたから大丈夫かな?」
などと、判断が曖昧になってきてしまいます。
そのように「ふわっと」した状態にならないためには、自分なりに
- 「何を求めるのか」
- 「何が重要なのか」
を考えて、チェックリストでも作って確認していくことが必要です。
面倒に思える作業ですが、一度リスト化すれば、今後の制作にも使い回していけるので(汎用的に作れば、の話ですが)、後々楽になってきます。
確認が楽になった分、制作そのものに、より一層エネルギーを振り分けられますので、曲数やクオリティが今以上に上がっていくことも期待できることでしょう。
確認項目の例として、私が実際に気にしているポイントを以下に列挙します。
- 演奏内容に問題がないか
- 音色に問題がないか(ステレオ、モノラル両方で確認)
- 音量バランスに問題がないか(ステレオ、モノラル両方で確認)
- ノイズがないか
- フェードアウトは自然か
- 不自然な音量変化がないか
私自身はこれぐらいの粒度(細かさ)の方が、使い回しやすさ(汎用性)と作業のしやすさ(具体性)のバランスが取れていてよいように感じますが、そのあたりのセンスは人それぞれ。
これを見て
「細かすぎる」
という人もいるでしょうし
「アバウトすぎる」
という人もいるでしょう。
ですので、自分に合った粒度(細かさ)でチェックポイントを挙げていくとよろしいかと思います。
2-2.どうしても気になるところは目視確認
上の2-1で挙げた点を確認するだけでも、一通り安心できるレベルの音源には仕上がるはずですが、こだわりの強い人は、それでも気になるところが出てくるものだと思います。
例えば次のような点が挙げられます。
- いらない音が混じっていないか
- MIDIトラックの打ち間違い(音、リズム)がないか
これらは2-1で聴いて気付かなければひとまず安心であるとも思われるのですが、
- 十分に聞き取れずに見逃す(聞き逃す)かもしれない
- 誤りは確実に排除したい
といった場合には、何としても追加の確認が必要となってきます。
上で挙げたように、「聞き逃しが心配」な場合、「確実性を期す」場合には、音を直接聞くのではなく、設定状態などを目視するのがおススメです。
大抵の場合、一曲の長さは数分以上あるでしょうから、
曲の最初から最後まで通しで聴いて見つけていくよりも、
DAWソフトの画面などを眺めて「さーっ」と確認していく方が早いケースが多いかと思います。
3.最後に
以上、DTMにおける時間の無駄をなくす(減らす)ための手段として、確認(モニタ)時間を減らす方法についてお伝えしてきました。
ここでもう一度要点をまとめて振り返ります。
まず基本方針は次の2点。
- トータルで聴いて違和感がなければ良し
- どうしても気になるところは目視確認
ここでいう「違和感」については、自分なりに重要な観点を整理して、チェックリスト化などしておくのがおススメです。
ここが曖昧ですと、判断も曖昧になりがちですので・・・
観点は人それぞれでOKですが、私の例でいきますと以下の通り。
- 演奏内容に問題がないか
- 音色に問題がないか(ステレオ、モノラル両方で確認)
- 音量バランスに問題がないか(ステレオ、モノラル両方で確認)
- ノイズがないか
- フェードアウトは自然か
- 不自然な音量変化がないか
今回の記事が
- DTMで時間を無駄に消費している気がする
- DTMの時短方法を知りたい
- 曲をたくさん作りたい
といった方のご参考になれば幸いです。