ピアノ打ち込みでペダルっぽい雰囲気を出すときの方法

今回はDTMにおけるピアノ打ち込みペダルっぽい雰囲気を出す(音処理を行う)際に使える方法をお伝えします。

ズバリ、こんな方特におススメの内容です。

  • ピアノ打ち込みペダルを使ったような雰囲気を出したい
  • ピアノペダルのような残響音取り扱いに迷っている

先に今回の話の概要(流れ)をお伝えしておきますと

  1. ペダルっぽい雰囲気を出すには空間系エフェクトをかける
  2. しかし、そのままだと残響成分によってコードチェンジ部音が汚くなることもある
  3. そのような場合、コードチェンジ部の残響成分オートメーション可変調整する

といったところです。

それでは以下、詳しくみていきましょう(上記番号と下記目次番号とは必ずしも一致しません)。

1.初めの一手と課題

ピアノ打ち込みペダルっぽい雰囲気を出すには、リバーブやディレイといった空間系エフェクトを加えるのが簡単です。

ピアノ音源によっては、既にそうしたプリセット(設定つまみなどをいじらなくても、選ぶだけで音作りが完成する)が用意されていることもあります。

これだけで済む場合もありますが、次のような課題が出ることもあります。

  • コードチェンジ部で、前のコードの残響成分が次のコードにかぶってしまう

単純に残響成分量を減らすなどして解決することもありますが、次のような場合もう一工夫必要になってきます。

  • 短いサイクルコードチェンジする(が残響成分は多めにしたい)
  • コードチェンジ頻度が箇所によって変わる

2つ目の例としては

「ある部分では1小節ごとだったのが、別の部分では半小節ごとになっていたりする」

といったケースが挙げられます。

これらの場合には、空間系エフェクトのパラメータを曲中で変えていく、オートメーションによる対策が有望です。

2.オートメーションによる対策

(写真はイメージです)

大まかには以下2つの方法が挙げられます。

  • 成分量増減
  • オンオフ切り替え

各方法のメリット、デメリットは以下の通りです。

オートメーションによる対策方法比較
方法 メリット デメリット
成分量を増減 細かな調整ができる 調整プロセスが複雑になりやすい
オンオフを切り替え シンプルな調整ができる 細かな調整ができない

以下、これら2方法について少し詳しく述べていきます。

2-1.成分量を増減

大まかには次のような方針でオートメーション設定すると良いでしょう。

  • 次のコードに移るときに前のコードの残響成分が大きく残らないよう、前のコードの後半~終盤にかけて、残響成分量徐々に減らしていく
  • 再び残響成分を与えるため、次のコードに移ってから残響成分徐々に増やしていく

対応するパラメータ(名称)は、適用するエフェクトによって異なりますが、残響成分量を増減できるパラメータが何かしらあるはずですから、それを見つけて調整しろにします。

なお「徐々に」といっても、その変化パターンには様々なものが考えられます。

基本的なパターン例としては

  • 直線的
  • 放物線的
  • 指数関数的

といったものが挙げられますが、もっと複雑に

「前半は直線的、後半は放物線的」

としたりすることもできるでしょう。

曲調や他楽器との兼ね合いなど、その時々で条件は様々ですから、色々試して最適解を模索していくのが良いかと思います。

2-2.オンオフを切り替え

エフェクト自体のオンオフを切り替える場合も、2-1と似たような考え方でアプローチできます。

オンオフだけなので、調整要素は「切り替えタイミング」ぐらいとなり、その分シンプルに調整できることが期待できます。

が、オンオフという「不連続な2状態」を扱う以上、

切り替えタイミングによっては、変化があからさまになって、違和感が強く出ることもあるので注意が必要です。

切り替えタイミングの調整だけでうまくいかない場合は、2-1で示したアプローチを試してみるのが良いでしょう。

3.最後に

以上、DTMにおけるピアノ打ち込みペダルっぽい雰囲気を出す(音処理を行う)際に使える方法についてお伝えしてきました。

最後に要点をもう一度整理します。

まず、ペダルっぽい雰囲気を出すには、

空間系エフェクトをかける

のが良いのですが、

次のような場合

  • 短いサイクルコードチェンジする(が残響成分は多めにしたい)
  • コードチェンジ頻度が箇所によって変わる

コードチェンジ前後において、空間系エフェクトパラメータを曲中で変えていく(オートメーションを使用する)のが有望です。

変え方は次の2つ

  • 成分量増減
  • オンオフ切り替え

個人的には1つ目の「成分量増減」の方が、柔軟に調整できる分、より自然な仕上がり期待できるかと思います。

ただ、調整自由度が高い分、面倒に感じることもあると思います。

そのような場合は2つ目の「オンオフを切り替え」を試してみるのも良いと思います。

DTMにおける他の多くの作業同様、ちょっとしたところで工夫(調整)が必要になったりするのが、何とも悩ましく、奥深いところですね。

今回の記事が

  • ピアノ打ち込みペダルを使ったような雰囲気を出したい
  • ピアノペダルのような残響音取り扱いに迷っている

といった方のご参考になれば幸いです。