DTM(音楽制作)に関連する、移動中に実行可能なタスク
今回は、移動中にできるDTM(音楽制作)関連タスクについて紹介します。
「まだまだDTM(音楽制作)はPC作業必須、移動中にスマホでやるのは・・・」
という方も多いと思います。
私もそんな一人。
モバイルDTM環境を整えられる時代にはなってきましたが、
いざそのような環境で制作しようと思っても、
プラグインやら諸々の制約も多いので、結局本格移行できないのですよねぇ・・・
しかし、モバイルDTM環境に移行せず、DTM(音楽制作)のメイン作業が未だPCベースであったとしても、
DTM(音楽制作)に関係するタスクの中には、移動中にスマホなどで十分やれるものも少なくありません。
移動中に適したタスクの要件としては以下2つが挙げられます。
- 音を鳴らさずに済む
- ややこしい操作がない
そのような要件を満たすタスクの例は色々ありますが、大まかには以下3つのカテゴリーに分かれます。
- 制作作業系:音楽制作に直接関わるもの
- リリース準備系:音楽制作後の楽曲公開、リリース申請などに関わるもの
- プロセス改善系:音楽制作プロセスに関わるもの
移動時間でできることは限られていると思いきや、
このように意外とタスクの種類は幅広いので、
制作状況、所要時間、自身のコンディションなどに応じて、やりやすいタスクを選んで実行すればよろしいかと思います。
それでは以下、詳しくみていきましょう!
1.制作作業系
音楽制作に直接関わる制作作業系タスクの中では以下4つが挙げられます。
- 作詞
- 曲構成決め
- 課題リストアップ
- 作業手順整理
以下、それぞれ少し詳しく説明していきます。
1-1.作詞
スマホで文字入力できれば作業可能です。
歌詞が先の場合は比較的自由に、既に出来上がったメロディに乗せる歌詞の場合はメロディを脳内再生しながら作業していくとよいでしょう。
時には、作詞にあたって単語、文法、漢字のチェックが必要になることもありますが、そうした作業もネット環境にあれば、それほど難しくはないと思われます。
1-2.曲構成決め
「DAWソフト上で試行錯誤する」といったような直接的な作業はできなくても、
- 「どのタイミングでどの楽器を入れるか」
- 「サビを何小節にするか」
といったような大まかな方針を立てるぐらいであれば、
移動中に考えをテキストにまとめておくことで、後で行うDAWソフト上の作業をスムーズに進められます。
DAWソフト上での作業に没頭していると、こうしたテキスト化(言語化)のプロセスを飛ばして作業することが多くなりますが、
こうしたテキスト化(言語)の作業を行うことで、思考が整理され、無軌道な試行錯誤に陥るリスクを減らすことができます。
1-3.課題リストアップ
既に制作を進めている場合、何かしらの課題が見えてきていることが多いかと思います。
例えば
- 音量バランスが悪い
- アレンジにもう少しひねりが必要
などなど・・・
DAWソフト上での作業に没頭していると、こうした「課題発見」と「課題に対する対策作業」が未分離のまま並行することも多いですが、
移動中でDAWソフトから離れた機会を利用して、一度課題リストアップに集中してみると、
DAWソフト上での作業中には見えなかった課題が明らかになることもあると思います。
リストアップした結果は、最低限テキスト形式で残せばよいですから、これも移動中にスマホでやるのに適したタスクの一つといえます。
1-4.作業手順整理
上の1-3で挙げたような「課題」に対する作業含め、少しやっかいそうな作業は特に、作業手順を事前に整理しておくのが良いでしょう。
というのも、何も考えずにそのまま複雑な作業に取り組むと、
途中で作業手順に対する迷いなどが生じ、作業効率や作業意欲が下がっていく状況に陥りやすくなります。
そこで、作業中に作業に没頭できるよう、作業手順を事前に整理しておきます。
DAWソフトを触れる環境にあると、こうした作業は迂遠でもどかしく感じますが、移動中でDAWソフトを触れない状況になれば、こうした作業にも幾分着手しやすくなるかと思います。
2.リリース準備系
音楽を作って終わりではなく、作った音楽をリリース(公開)する場合、色々と準備するものが出てきます。
リリース(公開)パターンによって必要な準備作業は様々ですが、例えば以下3つが挙げられます。
- 曲名決め
- ジャケット準備
- 曲紹介文作成
いずれも、(大幅に曲調が変わったりしない限りは)楽曲音源が完成しないうちに進められるタスクなので、
音楽自体は制作途中であっても、移動シーンが発生した場合は、これらに着手できないか、検討してみるとよいでしょう。
以下、それぞれ少し詳しく説明していきます。
2-1.曲名決め
「考えてテキスト化して終わり」
ですから、これも移動中にできる簡単なタスクの一つです。
さらにいえば、デスクに向かっているときより、移動中で幾分開放的な気分になっているときの方が、案外良いタイトルが浮かんだりするかもしれません。
2-2.ジャケット準備
ジャケット(画像)は、音楽を聴かれる前の第一印象を左右する重要な要素です。
が、音楽制作に没頭していると、音楽以外のこうした要素になかなかリソースを振り向けきれなくなるもの・・・
移動中でDAWソフトを触れないときこそ、気持ちを切り替えてこの「ジャケット準備」の作業にいそしむのもよいでしょう。
もっとも、ジャケット準備といっても、細かく分けると以下のような作業フェーズがあります。
- ジャケット画像元ネタ探索
- ジャケット画像トリミング
- ジャケット文字デザイン
一番上に挙げた「ジャケット画像元ネタ探索」以外は、何かしらの画像加工が必要なので、スマホだと作業ハードルは少々上がるかもしれません(近年はスマホアプリも充実化しているとは思いますが)。
「スマホで画像加工はちょっと・・・」
という場合、一旦「イメージを固めて、その内容をテキスト化する」ところまでやっておくだけでも、その後の作業がスムーズになるかと思います。
2-3.曲紹介文作成
曲紹介文は、音楽配信代行サービスへのリリース申請時や、SNS投稿時などに必要な場合があります。
「そんなちょっとしたことは、必要になったときにやればよいのでは?」
と思いがちですが、自分の曲を紹介するのは意外と難しく、いざ書こうと思っても、
なかなか適切な言葉が浮かばず、あれこれ考えて結構な時間がかかる・・・
といったパターンになることも少なくありません。
とはいっても、アウトプット自体はテキストだけですから、移動中にスマホでもできるタスクです。
この曲紹介文を移動中に完成させておけば、曲紹介文が必要となる後工程の作業(リリース申請やSNS投稿)もスムーズに進められるでしょう。
3.プロセス改善系
上の1、2ではどちらかというと、現在制作中の曲に直接関連するタスクを紹介してきましたが、
ここではもう少し長期的、俯瞰的視点で「そもそもどのように作業していくべきか」というプロセスを改善するためのタスクを取り上げます。
長期的、俯瞰的ということで、どうしても抽象的な話になりがちですが、大まかには以下2つが挙げられます。
- 標準作業手順整理
- 情報収集
以下、それぞれ少し詳しく説明していきます。
3-1.標準作業手順整理
既に何曲か音楽を作ってきている人であれば、自分なりの作業手順がそこそこ固まっていたり、
毎回悩んだり手間取ったりするポイントがある程度見えていたりすることもあるかと思います。
そうした状況を一度整理して、
- マニュアル化できるところのマニュアル化
- 既にあるマニュアルの改良
といった作業を進めていくことで、今後の作業効率を高めていきます。
なお、作業に用いるファイルの形式によっては、スマホで作業しにくいこともありますが、
考えた内容をテキストでまとめておくだけでも、後々の作業に活きてくるかと思います。
3-2.情報収集
プロセス改善のためには、自分の経験の整理以外にも、他人の経験やまだ知らない知識を仕入れることも必要でしょう。
移動中にスマホでできる情報収集手法としては、ネット検索、SNS回遊などが挙げられます。
ただ、ネット検索もSNS回遊も、ついつい脱線して時間を無駄にしてしまいがちですから、目的を見失わないように気を付けたいところです。
収集した結果を、3-1で取り上げた「標準作業手順整理」の内容にまで反映できると「なお良し」といえるでしょう。
4.最後に
以上、移動中にできるDTM(音楽制作)関連タスクについて紹介してきました。
こうしてみると、たとえモバイルDTM環境ではなくても
「DTM(音楽制作)に関して、移動中にでも進められることは結構ある」
ことがわかります。
今回紹介してきた「移動中に可能と考えられるタスク」のうち、
制作状況、所要時間、自身のコンディションなどに応じて、やりやすいタスクを選んで実行すれば、
DAWソフトを触れない移動時間も有効活用していけるかと思います。
というわけで、今回の記事が
- (DAWソフトが使えない)移動中に実行可能なDTM(音楽制作)関連タスクはないか
- 移動時間を有効に使いたい
- 隙間時間を有効に使いたい
と思っている方のご参考になれば幸いです。