「サムライスピリッツ」(元祖)(ネオジオCD)の音楽トラック内容まとめ
(写真はイメージです)
今回はネオジオCD版「サムライスピリッツ」(元祖)の2トラック目以降に収録されている音楽トラックの内容について、全体の印象、曲目、他バージョンとの違いなどを含めてお伝えします。
「サムライスピリッツ」(元祖)の音楽(BGM)が聴ける音源としては、他に以下2作品があります。
- 「サムライスピリッツ ORIGINAL SOUND TRACK SAMURAI SPIRITS」
- 「サムライスピリッツ イメージアルバム」
1つ目の「サムライスピリッツ ORIGINAL SOUND TRACK SAMURAI SPIRITS」は、音楽サブスク配信もされているもので、「いかにもゲーム音楽」という印象のもの・・・
といっても、悪い意味ではなく、むしろゲームの臨場感が味わえるという意味で良い作品です。
2つ目の「サムライスピリッツ イメージアルバム」は、それらのBGMをアレンジ(生楽器主体か?)した音源が集められている作品です(音楽サブスク配信もされているようです)。
といっても、単に楽器を置き換えるだけではなく、独自のパート、フレーズ、曲展開が加わっているケースも多くあり、他作品との聴き比べという観点でも大変に面白いものです。
今回紹介するネオジオCD版も、アレンジ音源ではあるのですが、そのアレンジが「サムライスピリッツ イメージアルバム」のものとは異なっていたり、そもそも「サムライスピリッツ イメージアルバム」にはないトラックもあったりするので、これはこれで貴重で聴く価値のある音源であると感じます。
さて、ネオジオCD版含め、これら3つのバージョンの全体的な印象をまとめると
- 「サムライスピリッツ ORIGINAL SOUND TRACK SAMURAI SPIRITS」:ゲーム感満載の音色でワイルドかつパワフルな印象
- 「サムライスピリッツ イメージアルバム」:生楽器主体と思われるアレンジで充実した演奏という印象
- 「サムライスピリッツ」(ネオジオCD版):同じく生楽器主体と思われるアレンジだが、おとなしめで素朴な演奏が多い印象(音量は例外もあるが他版に比べて小さめのことが多い)
といったところになります。
もちろん、各作品(音源集)には、純和風なものから、エスニック的、オーケストラ的なものまで、幅広いテイストの楽曲が収録されており、
個別でみると、様々な点で違いがみられますが、それらについては後ほど少しずつ紹介していきたいと思います。
なお、各作品ともタイトルがそれなりに長いので、以下、
- 「サムライスピリッツ ORIGINAL SOUND TRACK SAMURAI SPIRITS」:オリジナル版
- 「サムライスピリッツ イメージアルバム」:アレンジ版
- 「サムライスピリッツ」(ネオジオCD版):ネオジオCD版
と呼ぶことにします。
1.曲目
以下の表に、ネオジオCD版の曲目を示します。
トラック番号 | 曲名 | オリジナル版有無 | アレンジ版有無 |
---|---|---|---|
2 | 男節 日(覇王丸) | 〇 | 〇(「男節 (覇王丸、橘右京)」として収録) |
3 | 男節 月(橘右京) | 〇 | 〇(「男節 (覇王丸、橘右京)」として収録) |
4 | 魔(不知火幻庵) | 〇 | 〇 |
5 | 竹林(柳生十兵衛) | 〇 | 〇 |
6 | 王虎(王虎) | 〇 | 〇 |
7 | 暗黒(天草四郎時貞2) | 〇 | 〇 |
8 | 静と動 (タイトル) | 〇 | 〇 |
9 | 大地(アースクエイク) | 〇 | 〇 |
10 | 精進(ボーナス) | 〇 | × |
11 | 鼓動(天草四郎時貞1) | 〇 | × |
12 | 勝戦(勝利デモ) | 〇 | × |
13 | 十二士(プレイヤー選択) | 〇 | × |
14 | 乱れ打ち 壱(天草デモ) | 〇 | × |
15 | 行方(MAP画面) | 〇 | × |
16 | 鮪(ガルフォード) | 〇 | 〇 |
17 | 影(服部半蔵) | 〇 | 〇 |
18 | 自然の宴(ナコルル) | 〇 | 〇 |
19 | 異人(タムタム) | 〇 | 〇 |
20 | 勾玉(千両狂死郎) | 〇 | 〇 |
21 | 舶来女(シャルロット) | 〇 | 〇 |
22 | 革命女(シャルロット・エンディング) | 〇 | × |
23 | 祭り奏でる(スタッフロール) | 〇 | 〇 |
24 | 叫び(エンディング1) | 〇 | × |
25 | 平和(エンディング2) | 〇 | × |
26 | 再演の所望(コンティニュー)~終演(ゲームオーバー) | 〇 | × |
27 | 炎(転換) | 〇 | × |
28 | 乱れ打ち 弐(最終デモ) | 〇 | × |
29 | 不吉(4人勝抜デモ) | 〇 | × |
以下、表における注意点です。
- 「曲名」欄には、対応すると思われるオリジナル版の曲名に準じるものを記載(適宜表記変更)
- 「トラック番号」はネオジオCD版のものであり、2トラック目から始まっているのは仕様
- オリジナル版、アレンジ版と、曲順&トラック番号は必ずしも一致しない
- 「オリジナル版有無」及び「アレンジ版有無」は「〇:有、×:無」として記載
2.各トラック説明
ここでは1で挙げたネオジオCD版の音楽トラックについて、オリジナル版とアレンジ版の内容にも触れながら(適宜比較しながら)、紹介していきます。
Track2:男節 日(覇王丸)
「男節 月(橘右京)」との違いがわかりにくいが、オリジナル版の「男節 月(橘右京)」の冒頭には入っている笛の音がないことから、「男節 日(覇王丸)」であると判断。
オリジナル版には冒頭からエフェクト(風の音?)が入っているが、このネオジオCD版トラックにはエフェクトが入っていない。
なお、アレンジ版の方では「男節 月(橘右京)」と区別せず「男節 (覇王丸、橘右京)」として収録されている。
Track3:男節 月(橘右京)
前トラック「男節 日(覇王丸)」のところで述べた通り、こちらは冒頭から笛の音が入っているので「男節 月(橘右京)」と判断。
オリジナル版では冒頭から「よぉ~」という声やエフェクト(波の音?)が入っているが、こちらのネオジオCD版にはそれらが入っていない。
アレンジ版に収録されている「男節 (覇王丸、橘右京)」にも、冒頭から笛の音が入っているものの、メロディが「男節 月(橘右京)」のオリジナル版ともネオジオCD版とも異なっており、別モノという印象が強い。
Track4:魔(不知火幻庵)
オリジナル版に入っているエフェクト(火の音?)がなく、比較的高い音程の笛で始まる。太鼓の音は、オリジナル版やアレンジ版に比べて軽めの印象。
アレンジ版では、冒頭から太鼓の音、次いで笛の音が聴こえるものの、メロディは異なっている。
Track5:竹林(柳生十兵衛)
オリジナル版に入っているエフェクト(草木の音と鳥の音?)がなく、鼓の音で始まる。その後に笛の音が入るが、オリジナル版ともアレンジ版とも異なるメロディである。
Track6:王虎(王虎)
オリジナル版よりも1オクターブ低いシンセ音でのメロディで始まる。
アレンジ版ではキーが変更され、かつ、ストリングス(二胡?)によるソロ演奏からピアノが加わって本編演奏が始まる構成となっており、その仕上がりはネオジオCD版、オリジナル版に比べて、しっとり、穏やか、といった印象である。
Track7:暗黒(天草四郎時貞2)
冒頭からオーケストラヒットでガンガン打ち鳴らしているオリジナル版に比べて少しおとなしい、上品な印象。
アレンジ版は「暗黒 (天草四郎時貞)」というタイトルであるが、含まれるメロディの共通性から「暗黒(天草四郎時貞2)」に対応するトラックと判断。冒頭からネオジオCD版にもオリジナル版にもない演奏が加わっており、アレンジ感満載。
Track8:静と動 (タイトル)
オリジナル版では2バージョン(「静と動(タイトル)」と「静と動-短編-(30SECタイトル)」)が収められている。冒頭から聴こえる太鼓は、オリジナル版に比べて軽めの音である。
アレンジ版はネオジオCD版、オリジナル版とは異なり、雅楽的な趣の強い仕上がりになっている。
Track9:大地(アースクエイク)
オリジナル版に入っているエフェクト(風の音?)がない。その後のシンセによるメロディもオリジナル版と異なっている。
アレンジ版はネオジオCD版の聴感に近いが、楽器編成、曲構成がネオジオCD版とも、オリジナル版とも異なっており、よりドラマティックな曲展開が楽しめる仕上がりになっている。
Track10:精進(ボーナス)
太鼓の音がオリジナル版に比べて軽く、総じて騒がしいオリジナル版に比べておとなしい印象。それほど曲展開しないシンプルな曲だが、オリジナル版に比べて収録時間が長い。
Track11:鼓動(天草四郎時貞1)
オリジナル版とリズムも音色も異なるが、オリジナル版の「鼓動(天草四郎時貞1)」に最も似ているトラックのため、こちらがそれに対応するトラックと判断。太鼓の音が鳴り続けるだけのシンプルなトラックだが、オリジナル版に比べて収録時間が長い。
Track12:勝戦(勝利デモ)
オリジナル版に比べてテンポは遅めで、おとなしい音の印象。
Track13:十二士(プレイヤー選択)
オリジナル版に比べてテンポは遅めで、おとなしい音の印象。笛のメロディはオリジナル版と微妙に異なっている。音程も1オクターブ高いところで動いている。
Track14:乱れ打ち 壱(天草デモ)
オリジナル版に比べておとなしい太鼓の音。
Track15:行方(MAP画面)
オリジナル版に比べておとなしい印象。
Track16:鮪(ガルフォード)
オリジナル版に比べると本格的なロックバンドの音という印象。オリジナル版の主旋律は笛風の音であるが、ネオジオCD版ではシンセ音になっている。また、中間部(Bメロというべきか?)で三味線の音が入るのも特徴(その他版では聴かれない)。
アレンジ版はネオジオCD版の聴感に近いが、ドラムはよりソリッドな音になっている印象。また、冒頭に独自イントロが追加されていたり、曲途中で大胆に曲展開したりと、オリジナル版、ネオジオCD版に比べてかなり凝った仕上がりになっている。
Track17:影(服部半蔵)
オリジナル版に入っているエフェクト(風の音?など)がない。オリジナル版に比べて太鼓の音が軽めであり、全体的におとなしい印象である。
アレンジ版では比較的低音の三味線から始まり、笛による主旋律も低音ベースで、太鼓の音は聴かれないなど、その他版と異なる印象のトラックになっている(そしてやたら短い)。
Track18:自然の宴(ナコルル)
オリジナル版に入っているエフェクト(鳥の声?)、ドラムがない。オリジナル版に比べてパーカッションの音が軽めであり、メロディも微妙に異なっている。
アレンジ版では冒頭オルゴール的な音での前振りがあったり、大胆に曲展開したりと、凝った仕上がりになっている。また、ドラムが入っている分、オリジナル版に近いビート感がある(ドラムパターンや音色は異なるが)。
Track19:異人(タムタム)
オリジナル版に入っているエフェクト(滝の音?)がなく、オリジナル版に比べて少しゆったりした印象。メインメロディが始まる前のメロディがオリジナル版、アレンジ版と異なる。
アレンジ版は冒頭でパーカッションのみの独自フレーズが登場、その後はオリジナル版に近いテンポで演奏が始まるが、パーカッションの音色が異なり、曲展開も異なるところがある。
Track20:勾玉(千両狂死郎)
オリジナル版にある「よぉ~」の声がなく、オリジナル版に比べて太鼓群の音が軽め(高め)で、おとなしい印象。
アレンジ版はネオジオCD版に近い聴感であるが、低音の太鼓があるところはオリジナル版の聴感に近い。三味線、笛のメロディで他版にはないフレーズも登場する。
Track21:舶来女(シャルロット)
勢いのあるパーカッションによって騒がしい印象の強いオリジナル版に対し、パーカッション類なし、チェンバロ+ストリングスの室内楽的構成でテンポも遅めの演奏であり、優雅さが強調されている。
アレンジ版はオルガンによる和音演奏で始まり、その後も独奏スタイルで本編が演奏される。
Track22:革命女(シャルロット・エンディング)
オルガンによる演奏。オリジナル版にあるハイハット音がなく、テンポもゆっくりめで荘厳さが増している印象。
Track23:祭り奏でる(スタッフロール)
オリジナル版、アレンジ版にあるドラムがなく、太鼓、三味線、笛が前面フィーチャーされた純和風な仕上がり。
アレンジ版はドラムがあってオリジナル版に近いビート感だが、鍵盤ソロなども加わって、より一層ファンキーさが増しているように感じる。
Track24:叫び(エンディング1)
オリジナル版よりも本格的で広がりのあるオーケストラ音で臨場感が増している。
Track25:平和(エンディング2)
オリジナル版にあるパーカッション群はなく、琴、ストリングス、笛メインの演奏によるしみじみした仕上がり。メロディが微妙にオリジナル版と異なっている。
Track26:再演の所望(コンティニュー)~終演(ゲームオーバー)
オリジナル版に比べて打楽器が引っ込んで少しおとなしくなった印象。
Track27:炎(転換)
エフェクトトラック。オリジナル版との違いはあまり感じない。
Track28:乱れ打ち 弐(最終デモ)
オリジナル版よりも臨場感のある太鼓であるが、静かな印象。
Track29:不吉(4人勝抜デモ)
オリジナル版よりも控えめな演奏に思われるが、オーケストラ部分は特に荘厳さが増している印象。