「SOUND FORGE Audio Studio 12」の使い方で注意したい「波形の読み込み」

波形編集ソフト「SOUND FORGE Audio Studio 12」の使い方のうち「波形の読み込み」で1つ注意したいのは

  • 読み込むファイルの名前にはピリオドを含めないこと

です。

操作内容によっては、ピリオドが含まれていても問題ないことがあるかもしれませんが、

少なくとも私は実際にこれでトラブルに遭遇しましたので、ピリオドを含まないファイル名にしておく方が無難と思われます。

では、ピリオドを含んでいるとどんなトラブルに遭遇するのか??

以下では、私が遭遇したトラブルについて、少し詳しくお伝えしていきます。

1.背景

少々長くなりますが、ここではトラブル体験の背景として、ピリオドを含んだファイル名にしていた経緯を中心にお伝えします。

私はDAWソフトとして「ACID Pro 8」を使っているのですが、このDAWソフトではMIDIトラックをオーディオ化するために「フリーズ」という機能が用意されています。

MIDIトラックをオーディオ化(フリーズ)するメリットとしては主に、

  • MIDIトラックの音内容を安定させる
  • MIDIトラックの音内容を波形編集ソフトで編集できる

といった点が挙げられます。

対象のMIDIトラックを「フリーズ」すると、そのトラックの音内容が含まれたオーディオファイル(wavファイル)が自動的に生成され、DAWプロジェクトファイル上のMIDIトラックからそのwavファイルを参照する状態となります。

(以降、この生成されるオーディオファイルを「フリーズファイル」と呼ぶことにします)。

フリーズファイルのファイル名は、フリーズ操作時にDAWソフト側で自動的に付けられ、このタイミングではこちらで決められません(※1)。

DAWソフト側で自動的に付けられるファイル名にはピリオドが含まれており、

このようなファイルを波形編集ソフト「SOUND FORGE Audio Studio 12」で読み込むとトラブルに遭遇した、というのが今回の話です。

(※1)ひょっとすると、ファイル名が変更可能となる設定方法などがあるかもしれませんが、私は把握しておりませんので、少なくともデフォルト設定では、ということです。

なお、フリーズファイルの名前を変更したい場合は、

DAWソフト側で参照していないとき(DAWソフトを起動していない状態など)に、Windowsエクスプローラー上でファイル名を変更すればよいですが、

ファイル名変更後のファイルをそのままプロジェクトファイルから参照はできませんので、

これを参照できるよう、DAW上で参照し直しの設定操作を行う必要があります(このあたりの詳細は後ので説明します)。

2.トラブルの内容

(写真はイメージです)

今回、「SOUND FORGE Audio Studio 12」で、ピリオドを含んだ名前のファイルを2つ読み込んだ後色々操作すると、読み込んだファイルの波形表示再生される音内容おかしくなりました

読み込んだ2つのファイルは、名前・内容ともに異なるものです。

具体的には以下のような状況です。

  1. 「トラック xx.Bass.freeze.1」(以下ファイルAとする)と「トラック xx.Bass.freeze.2」(以下ファイルBとする)というように、末尾の数字だけが異なるファイル名を付したファイルを、「SOUND FORGE Audio Studio 12」で同時に開いた状態とする(ファイルごとにタブ形式で開かれる)
  2. ファイルBが表示された状態から、ファイルAのタブをクリックしてファイルAを表示させる
  3. このとき、波形表示はファイルAのものだが、再生される音はファイルBのものとなる
  4. この状態(ファイルAが表示された状態)から、ファイルBのタブをクリックすると、ファイルBの波形の代わりに、ファイルAと同じ波形が表示されるが、再生される音はファイルBのものとなる
  5. その後、どちらのファイルのタブを選択しても、同じ波形表示、同じ再生音内容となる
  6. 少なくとも保存操作を行わない限り、ファイル自体には変更は加わらない(保存操作を行ったときの挙動は未確認)
  7. 一旦アプリケーションを終了し、双方ともピリオドを含まないファイル名に変更して再度読み込むと、本現象はみられなくなる

というわけで、

ピリオドを含まないファイル名にする」と解決しました。

3.フリーズファイルの名前を変更する場合の手順

DAWソフト「ACID Pro 8」のプロジェクトファイルにおいて、MIDIフリーズ完了した後、そのフリーズしたファイル名を変更する(そして参照関係を維持する)場合は、以下手順を実施します。

  1. フリーズ完了(ファイル生成&参照完了)の状態で、一旦プロジェクトファイルを保存(別名保存でも上書き保存でもOK)して、アプリケーション「ACID Pro 8」を終了させる
  2. この状態で、生成されたフリーズファイルに対して名前変更を行う
  3. 先ほど保存した、フリーズ完了状態のプロジェクトファイルを「ACID Pro 8」で開く
  4. その際に「指定された場所で次のファイルが見つかりませんでした」(ソースネクスト購入版(日本語)の場合)というメッセージが出るので、「新しい場所または代替ファイルを指定」(ソースネクスト購入版(日本語)の場合)を選択し、代替ファイルとして、先ほど名前変更を行った後のフリーズファイルを選択する
  5. これで名前変更済のフリーズファイルが参照された状態となる
  6. このとき、プロジェクトファイルは変更あり扱いとなるので、この状態でプロジェクトファイルを保存する