「ザ・キング・オブ・ファイターズ '94」(ネオジオCD)の音楽トラック内容まとめ
(写真はイメージです)
今回はネオジオCD版「ザ・キング・オブ・ファイターズ '94(THE KING OF FIGHTERS '94)」の2トラック目以降に収録されている音楽トラックの内容について、全体の印象、曲目、他バージョンとの違いなどを含めてお伝えします。
「ザ・キング・オブ・ファイターズ '94」の音楽(BGM)が聴ける音源としては、他に例えば以下があります。
- 「THE KING OF FIGHTERS '94 ORIGINAL SOUND TRACK ザ・キング・オブ・ファイターズ」(音楽サブスク配信)
この「THE KING OF FIGHTERS '94 ORIGINAL SOUND TRACK ザ・キング・オブ・ファイターズ」(音楽サブスク配信)(以下「オリジナル版」と呼称)は、ゲーム音楽の雰囲気を濃密に味わえる作品です。
今回紹介するネオジオCD版は、上記に対応するアレンジ音源であり、一部は歌モノトラックになっていたりと、オリジナル版とは色々と異なる点があるので、貴重で聴く価値のあるものであると感じます。
さて、オリジナル版、ネオジオCD版の全体的な印象をまとめると
- オリジナル版:ゲーム感満載の音色でワイルドかつパワフルな印象
- ネオジオCD版:オリジナル版よりも全体的にきれいめでスタイリッシュな音になっており、リアルな聴感の楽器音も目立つ印象(音量は基本的にオリジナル版に比べて小さめ)
といったところになります。
もっとも、個別でみると、他にも様々な点で違いがみられますが、それらについては後ほど少しずつ紹介していきたいと思います。
1.曲目
以下の表に、ネオジオCD版の曲目を示します。
トラック番号 | 曲名 | オリジナル版有無 |
---|---|---|
2 | JUNGLE BOUNCER(ブラジルステージ) | 〇 |
3 | ね!(イギリスステージ) | 〇 |
4 | 龍虎の変(メキシコステージ) | 〇 |
5 | SLUM No.5(アメリカステージ) | 〇 |
6 | NAPOLITAN BLUES(イタリアステージ) | 〇 |
7 | ESAKA(日本ステージ) | 〇 |
8 | 憂(韓国ステージ) | 〇 |
9 | サイコソルジャー"K・O・F Version"(中国ステージ) | 〇 |
10 | 決闘R&D(ボスステージ1) | 〇 |
11 | 決着R&D(ボスステージ2) | 〇 |
12 | CLEAR(クリアBGM) | 〇 |
13 | CONTINUE~GAME OVER | 〇 |
14 | 死か屈辱かの選択(プレイヤーセレクト) | 〇 |
15 | プレ・ボン(エンディング1) | 〇 |
16 | HAPPY JAH! あーりませんか(エンディング2-1) | 〇 |
17 | SUNSET SKY Part4"PAPAYA Version"(エンディング2-2) | 〇 |
18 | UM・・・(ボスステージ1後デモ) | 〇 |
19 | R&Dへ向かう(ボス中間デモ) | 〇 |
20 | THE KING OF FIGHTERS '94 開幕(タイトル) | 〇 |
21 | THE KING OF FIGHTERS '94 開幕(タイトル) | 〇 |
22 | THE KING OF FIGHTERS '94 開幕(タイトル) | 〇 |
23 | プレ・ボン-Long Version-(エンディング1) | 〇 |
以下、表における注意点です。
- 「曲名」欄には、対応すると思われるオリジナル版の曲名に準じるものを記載(適宜表記変更)
- 「トラック番号」はネオジオCD版のものであり、2トラック目から始まっているのは仕様
- 曲順&トラック番号はオリジナル版と必ずしも一致しない
- 「オリジナル版有無」は「〇:有、×:無」として記載
- トラック番号20~22は同一トラック名表記としたが、それぞれ少なくともトラック長さが異なる
2.各トラック説明
ここでは1で挙げたネオジオCD版の音楽トラックについて、オリジナル版の内容にも触れながら(適宜比較しながら)、紹介していきます。
Track2:JUNGLE BOUNCER(ブラジルステージ)
オリジナル版では始終SE(猛獣の声(?))が挿入されるが、ネオジオCD版ではSEが出だしの部分のみであり、その内容も小鳥の声(?)メインで猛獣の声(?)は比較的目立たない、ソフトなものとなっている。途中と終盤で派手なオルガン演奏が聴けるのも大きな特徴。
Track3:ね!(イギリスステージ)
オリジナル版ではドラムスネア音から始まるが、このネオジオCD版ではシンセ音フレーズから始まる。リアルな聴感の管楽器隊音が印象的。また、オリジナル版にある、左右にパンニングするオーケストラヒット音が入っていない。
Track4:龍虎の変(メキシコステージ)
オリジナル版にある冒頭のSEがない。オリジナル版ではシンセブラス的な音で奏でられているメインテーマの低音フレーズが、このネオジオCD版ではピアノ音になっている。オリジナル版に比べて広がりのある音に仕上がっており、神秘的で荘厳な雰囲気が増している。
Track5:SLUM No.5(アメリカステージ)
オリジナル版では最初からドラムビートが入っているが、このネオジオCD版では途中から入る。また、オリジナル版と男声の内容が異なっており、全体的にヒップホップ感が増している。
Track6:NAPOLITAN BLUES(イタリアステージ)
オリジナル版にある群衆の声らしきSEがなく、いささか騒がしい印象のオリジナル版に比べて落ち着いたトラックに仕上がっている。途中で4ビートジャズ的に曲展開してギターソロが入るのも大きな特徴。
Track7:ESAKA(日本ステージ)
オリジナル版では左右に定位している冒頭のSEがセンターに定位している。また、冒頭SE後のイントロ(スネアの入った8ビートになる前の部分)におけるキラキラした高音シンセ音がない。スネアの入った8ビートパターン部分では、それに相当する音が少し聴こえるようにも感じられるが、少なくともオリジナル版のような大々的な鳴り方ではない。また、オリジナル版途中で挿入される男声に対応する要素がなく、Bメロ部分では和音が大々的にフィーチャーされているのも特徴。
Track8:憂(韓国ステージ)
オリジナル版に比べて広がりのある音で、オーケストレーションも異なり、非常に室内楽的な聴感の強いトラックとなっている。また、オリジナル版で基本的に始終鳴り続けている鐘の音や、途中で入る人の声が入っていない。
Track9:サイコソルジャー"K・O・F Version"(中国ステージ)
オリジナル版とは違って、女声ボーカルをフィーチャーした歌モノトラックとなっており、曲の始まり方なども大きく異なる。オリジナル版はダンスビートトラックという印象が強いが、本トラックはダンサブルな要素を持つギターロックといってよいだろう。
Track10:決闘R&D(ボスステージ1)
オリジナル版よりも広がりのある音で、シンフォニックな要素もあり、緊迫感も増している印象。
Track11:決着R&D(ボスステージ2)
冒頭からのメインのエレキギターパターンがオリジナル版と異なる。また、オリジナル版にあるディストーション気味の男声が入っていない。
Track12:CLEAR(クリアBGM)
オリジナル版よりもシンフォニックな印象が増している。また、キー(調性)が半音ほど高い。
Track13:CONTINUE?GAME OVER
オリジナル版よりも軽快なビート感である。また、キー(調性)が半音ほど高い。
Track14:死か屈辱かの選択(プレイヤーセレクト)
オリジナル版同様、基本的にドラムビートのみのトラックであるが、オリジナル版では左右にチャンネルディレイ的に定位しているバスドラ(キックというべきか)とスネアが、こちらのネオジオCD版ではセンターに定位しているのが特徴。
Track15:プレ・ボン(エンディング1)
オリジナル版に比べてキー(調性)が半音ほど高い。また、メインテーマを奏でるシンセ音の空間感と透明感が増しているのが印象的。
Track16:HAPPY JAH! あーりませんか(エンディング2-1)
ギターとピアノのコード弾きによるバッキングが加わっており、オリジナル版に比べてレゲエ感が増している。リアルな聴感のブラスが、より一層賑やかな雰囲気を醸し出している。
Track17:SUNSET SKY Part4"PAPAYA Version"(エンディング2-2)
オリジナル版に比べて広い空間を感じさせるトラックに仕上がっており、AOR的な味わいがある。冒頭はA♭コードから始まるメインテーマから始まり、オリジナル版にはないコード展開もあってドラマティックさが増している。
Track18:UM・・・(ボスステージ1後デモ)
オリジナル版に比べてキー(調性)が半音ほど高い。オリジナル版よりも線の細い音で、低音要素も少なく、重厚感が抑制されている印象。
Trac19:R&Dへ向かう(ボス中間デモ)
オリジナル版に比べてキー(調性)が半音ほど高く、バッキングの和音構成がスッキリしたものになっている。
Trac20:THE KING OF FIGHTERS '94 開幕(タイトル)
前半から聴こえる群衆の声のパターンがオリジナル版と異なっている。また、オリジナル版に入っている複数キャラクターの声がない。
Track21:THE KING OF FIGHTERS '94 開幕(タイトル)
Track20とほとんど同じに聴こえるが、前半の群衆の声&ドラムビート部分の繰り返し回数とフェードインパターンが異なっているのが比較的大きな特徴。トラック長さもTrack20と異なっている。
Track22:THE KING OF FIGHTERS '94 開幕(タイトル)
Track20、21に比べて、本編パターンスタートタイミングが遅く、トラック長さもTrack20、21に比べて長くなっている。
Track23:プレ・ボン-Long Version-(エンディング1)
オリジナル版とは、Track15と同様の違いがある。