「ザ・キング・オブ・ファイターズ '95」(ネオジオCD)の音楽トラック内容まとめ

(写真はイメージです)

今回はネオジオCD版「ザ・キング・オブ・ファイターズ '95(THE KING OF FIGHTERS '95)」の2トラック目以降に収録されている音楽トラックの内容について、全体の印象、曲目、他バージョンとの違いなどを含めてお伝えします。

ザ・キング・オブ・ファイターズ '95」の音楽(BGM)が聴ける音源としては、他に例えば以下があります。

  • 「THE KING OF FIGHTERS '95 ORIGINAL SOUND TRACK ザ・キング・オブ・ファイターズ」(音楽サブスク配信)

この「THE KING OF FIGHTERS '95 ORIGINAL SOUND TRACK ザ・キング・オブ・ファイターズ」(音楽サブスク配信)(以下「オリジナル版」と呼称)は、ゲーム音楽の雰囲気を濃密に味わえる作品です。

今回紹介するネオジオCD版は、上記に対応するアレンジ音源の他、オリジナル版にはない歌モノトラックも収録されており、貴重で聴く価値のあるものであると感じます。

さて、オリジナル版、ネオジオCD版、それぞれの全体的な印象をまとめると

  • オリジナル版:ゲーム感満載の音色でワイルドかつパワフルな印象
  • ネオジオCD版:オリジナル版よりも全体的にきれいめでスタイリッシュな音になっており、リアルな聴感の楽器音も目立つ印象(音量は基本的にオリジナル版に比べて小さめ)

といったところになります。

もっとも、個別でみると、他にも様々な点で違いがみられますが、それらについては後ほど少しずつ紹介していきたいと思います。

1.曲目

以下の表に、ネオジオCD版の曲目を示します。

「ザ・キング・オブ・ファイターズ '95」(ネオジオCD版)曲目
トラック番号 曲名 オリジナル版有無
2 K・O・F '95(タイトル)
3 悪魔のセレクト(ゲームセレクト)
4 怒濤のセレクト(チームセレクト)
5 (無音トラック) ×
6 この世の春(勝利デモ)
7 (無音トラック) ×
8 欲望の渦(ゲームオーバー)
9 FUNKY ESAKA(日本ステージ)
10 FUNKY ESAKA(日本ステージ)(alternate)
11 慮(韓国ステージ)
12 慮(韓国ステージ)(alternate)
13 DESERT REQUIEM(中近東ステージ)
14 DESERT REQUIEM(中近東ステージ)(alternate)
15 (無音トラック) ×
16 戦慄のドラ(中国ステージ)
17 戦慄のドラ(中国ステージ)(alternate)
18 (無音トラック) ×
19 CLUB-M 青空にフルート(地中海ステージ)
20 CLUB-M 青空にフルート(地中海ステージ)(alternate)
21 リュウコとケン 揺れる男心(アメリカ闘技場ステージ)
22 リュウコとケン 揺れる男心(アメリカ闘技場ステージ)(alternate)
23 地を這うベース(イギリスステージ)
24 地を這うベース(イギリスステージ)(alternate)
25 嵐のサキソフォン(アメリカ工場ステージ)
26 嵐のサキソフォン(アメリカ工場ステージ)(alternate)
27 泣きのR・哀愁のD(ルガールデモ1,2,3)
28 泣きのR・哀愁のD(ルガールデモ1,2,3)(alternate)
29 HALとベースとメロディーと(最終ボスステージ1)
30 HALとベースとメロディーと(最終ボスステージ1)(alternate)
31 ルガール賛歌(ルガール出現デモ)
32 (無音トラック) ×
33 ギターとオメガとルガールと(最終ボスステージ2)
34 ギターとオメガとルガールと(最終ボスステージ2)(alternate)
35 ルガール消滅(ルガール消滅デモ)
36 KID(エンディング1)
37 涙さんさよなら(エンディング2)
38 さらばっ!青春(エンディング3)
39 THE SUNSET SKY PART 6 LIEBE(スタッフロール)
40 MY LOVE~勇気を出して~(アテナのうた)(short) ×
41 MY LOVE~勇気を出して~(アテナのうた) ×

以下、表における注意点です。

  • 「曲名」欄には、対応すると思われるオリジナル版、または「ザ・キング・オブ・ファイターズ '95 ARRANGE SOUND TRAX」の曲名に準じるものを記載(適宜表記変更)
  • 「トラック番号」はネオジオCD版のものであり、2トラック目から始まっているのは仕様
  • 曲順&トラック番号はオリジナル版と必ずしも一致しない
  • 「オリジナル版有無」は「〇:有、×:無」として記載
  • 「曲名」欄中の「(無音トラック)」、「(alternate)」、「(short)」は、収録内容に即して、こちらで仮に付記したもの

2.各トラック説明

ここでは1で挙げたネオジオCD版の音楽トラック(「(無音トラック)」除く)について、オリジナル版の内容にも触れながら(適宜比較しながら)、紹介していきます。

Track2:K・O・F '95(タイトル)

比較的高い音程の単音シンセ(?)音から始まるオリジナル版に対し、このネオジオCD版は壮大な雰囲気の低音メインのシンセ音から始まる。その後に入るギターカッティングパターンもオリジナル版とは異なっている。

Track3:悪魔のセレクト(ゲームセレクト)

演奏内容にそれほど大きな違いはないが、比較的大きく異なっている点として、歪んだエレキギターパートが加わっている点、カッティングギターの和音の聴こえ方が少し異なっている点が挙げられる。

Track4:怒濤のセレクト(チームセレクト)

メインフレーズが始まるまでのドラムパターンがオリジナル版と異なっている。また、オリジナル版では「メインフレーズのシンセ(?)音+バッキングのエレキギター」という印象が強いが、このネオジオCD版では、ほとんどエレキギターリフの曲という印象が強い。

Track6:この世の春(勝利デモ)

オリジナル版と一部音程の異なるフレーズパターンとなっている。また、オリジナル版に比べて終わりの音が短い分、あっさり感が増している。

Track8:欲望の渦(ゲームオーバー)

曲の最後、オリジナル版では目立っているピアノ(?)音が聴こえず、全体としてのコード感もオリジナル版とは異なった印象である。

Track9:FUNKY ESAKA(日本ステージ)

オリジナル版とは違って、パーカッションの独奏から始まり、その後もメインテーマフレーズが始まるまでの演奏はブラスセクションをフィーチャー&ワウギターなし&人の語り声なし、と、かなり異なる音内容となっている。繰り返されるフレーズを、異なる音色のオルガンで弾き分けている部分もあり、充実した演奏が楽しめるトラックとなっている。

Track10:FUNKY ESAKA(日本ステージ)(alternate)

Track9と同じ曲だが、中間部から演奏が始まるトラックである。

Track11:慮(韓国ステージ)

オリジナル版とは異なり、純度の高いオーケストラ演奏によるシンフォニックなトラックとなっている。メロディ、オーケストレーション、リズム、その他諸々、オリジナル版と異なる部分が非常に多く、別モノ感が強い。

Track12:慮(韓国ステージ)(alternate)

Track11と同じ曲だが、メインテーマフレーズから演奏が始まるトラックである。また、後半では、オリジナル版やTrack11にはない独自のピアノ演奏展開が楽しめる。

Track13:DESERT REQUIEM(中近東ステージ)

マーチ風でほのぼのとした(?)雰囲気で始まるオリジナル版とは異なり、最初からギターロックバンドサウンドの演奏で始まり、その後もそのイメージをキープして曲展開していく。

Track14:DESERT REQUIEM(中近東ステージ)(alternate)

Track13と同じ曲だが、中間部から演奏が始まるトラックである。また、後半では、オリジナル版にはないエレキギターソロも楽しめる。

Track16:戦慄のドラ(中国ステージ)

序盤のスローな部分は、オリジナル版よりも壮大で落ち着いた演奏となっている。また、オリジナル版にあった、本編スタート直前のドラム独奏部分がない。エレクトロビート的な印象の強いオリジナル版に比べて、バンドサウンド色の濃いトラックとなっている。

Track17:戦慄のドラ(中国ステージ)(alternate)

Track16と同じ曲だが、本編最初に相当する部分から演奏が始まるトラックである。また、後半では、オリジナル版やTrack16にはない、独自の曲展開も楽しめる。

Trac19:CLUB-M 青空にフルート(地中海ステージ)

オリジナル版にある、冒頭のSE(波の音や鳥の声と思われるもの)やその後のやや長めのドラムパターンがなく、短いドラムフィルインで始まる。イントロのギターリフは、オリジナル版に比べて1オクターヴ高い領域を動いており、軽やかで爽やかな雰囲気が増している。また、オリジナル版にはない曲展開もあり、より一層ドラマティックなトラックにもなっている。

Trac20:CLUB-M 青空にフルート(地中海ステージ)(alternate)

Track19と同じ曲だが、メインテーマフレーズ部分から演奏が始まるトラックである。また、後半では、オリジナル版やTrack19にはない、アコースティックギターによるアグレッシヴなオブリガートやギターソロも楽しめる。

Track21:リュウコとケン 揺れる男心(アメリカ闘技場ステージ)

メインテーマを奏でるシンセフレーズを中心に、オリジナル版に比べて広がりのある音で構成されている分、落ち着いて聴ける音という印象が強い。また、ピアノ和音はオリジナル版に比べて高音程部分が目立つ。

Track22:リュウコとケン 揺れる男心(アメリカ闘技場ステージ)(alternate)

Track21と同じ曲だが、メインテーマフレーズ部分から演奏が始まるトラックである。また、後半では、オリジナル版やTrack21にはない、各楽器のハジけた演奏による和風ジャズ的アンサンブルが楽しめる。

Track23:地を這うベース(イギリスステージ)

メインテーマフレーズが始まる前のセリフ内容がオリジナル版と異なっている。後半はギターソロ、サックスソロも楽しめる。

Track24:地を這うベース(イギリスステージ)(alternate)

Track23と同じ曲だが、ビート部分から始まる。オリジナル版やTrack23にはない曲展開部分を含む。

Track25:嵐のサキソフォン(アメリカ工場ステージ)

オリジナル版よりも複雑なリズムのドラムパターンで始まる。メインテーマのサックスは、オリジナル版よりも1オクターヴ高い領域を動いており、また演奏が滑らかで表情も豊かである。後半からは、オルガン→(恐らく)フルート→ピアノとまわっていく各楽器のソロ演奏が楽しめる。

Track26:嵐のサキソフォン(アメリカ工場ステージ)(alternate)

Track25と同じ曲だが、メインテーマフレーズ部分から演奏が始まるトラックである。

Track27:泣きのR・哀愁のD(ルガールデモ1,2,3)

オリジナル版よりも静かで落ち着いた音のため、緊迫感も増しているように思われる。

Track28:泣きのR・哀愁のD(ルガールデモ1,2,3)(alternate)

Track27と同じ曲だが、途中のドラムフィルイン部分から演奏が始まるトラックである。

Track29:HALとベースとメロディーと(最終ボスステージ1)

和音シンセから始まるオリジナル版とは異なり、シーケンシャルなビートパターンから始まる。オリジナル版に比べて音が軽く、騒がしさが抑えられているように感じられる。後半、アーミングとワウを絡めたエレキギターソロが入り、その後半音上に転調する。

Track30:HALとベースとメロディーと(最終ボスステージ1)(alternate)

Track29と同じ曲だが、中間部分から演奏が始まるトラックである。

Track31:ルガール賛歌(ルガール出現デモ)

オリジナル版にある派手なシンセ音のオブリガートが、微かな効果音的シンセ音のものに置き換わっており、また全体的に音が軽いことから、淡々と進んでいく印象が強い。

Track33:ギターとオメガとルガールと(最終ボスステージ2)

ロック色の強いオリジナル版に比べて、ダンスミュージック色の強いトラックとなっている。オリジナル版ではスネア連打音から始まるが、このネオジオCD版では、4つ打ちキック音をベースとしたドラムビートとソウルフル&エスニックな雰囲気の高音ボーカルが印象的なアンサンブル状態から始まる。

Track34:ギターとオメガとルガールと(最終ボスステージ2)(alternate)

Track33と同じ曲だが、中間のピコピコ乱舞(?)部分から演奏が始まるトラックである。オリジナル版やTrack33にはない曲展開部分も含んでいる。

Track35:ルガール消滅(ルガール消滅デモ)

オリジナル版に比べて広がりのある音で壮大さも増しており、その分緊迫感も高まっているように思われる。主旋律はオリジナル版よりも1オクターヴ高い領域を動く成分が目立っており(オクターヴユニゾン?)、演奏の印象が随分異なる。

Track36:KID(エンディング1)

オリジナル版に比べて優しい音色で主旋律が奏でられており、ホッとする感が増している。

Track37:涙さんさよなら(エンディング2)

オリジナル版に比べてオルガンの空間感が増している。また、ドラムビートが加わっている。

Track38:さらばっ!青春(エンディング3)

オリジナル版に比べて広がりのある音であり、淡々とした印象を受ける。

Track39:THE SUNSET SKY PART 6 LIEBE(スタッフロール)

オリジナル版よりも1音半高いキー(調性)となっている。オリジナル版に比べてバッキングの鍵盤音の強さが控えめで、上品な印象が増している感がある。

Track40:MY LOVE~勇気を出して~(アテナのうた)(short)

女声ボーカルをフィーチャーした、アップテンポなギターロック。歌メロの途中でフェードアウトする。

Track41:MY LOVE~勇気を出して~(アテナのうた)

Track40と同じ曲だが、途中でフェードアウトせず、アウトロ部分を経て最後はライヴ演奏風に「ジャーン」と終わるのが特徴。