音楽サブスクリプションでギャップレス再生可能か調べてみた(PC編)~Google Play Music&Spotify~
前回、ストリーミングベースの音楽サブスクリプション(定額制音楽配信)サービスである、
- Google Play Music
- 楽天ミュージック
の各Androidアプリについて、ギャップレス再生対応具合を探るべく、オンライン再生時の曲間(ギャップ)を測定し、
- Google Play Music(Androidアプリ)の方がギャップレス再生に近い(曲間時間ほぼ数十ms レベル)
といったような結論を導きました。
しかし、PCでも音楽サブスクリプション(定額制音楽配信)サービスの音楽を聴くことはあるはず。
むしろ、私はPCで聴くことの方が圧倒的に多い!
というわけで、今回は、PCでの曲間(ギャップ)実測検証を行いました。
対象は、
- Google Play Music(Web版)
- Spotify(Win版デスクトップアプリ)
です。
最初にざっと結論を示します。
- Spotify(Win版デスクトップアプリ)は実質ギャップレス再生対応とみなせる
もう少し詳しく述べると、
- 波形:無音部分に相当する箇所が見当たらない
- 聴感:ノイズや音途切れが感じられない
といったところです。
PCでのギャップレス再生にこだわる場合、
Google Play MusicよりもSpotifyの方が良いかも!?
それでは以下、詳しくみていきましょう!
1.検証方法と条件
検証方法、条件を以下にまとめます。
- 使用機器(アプリ):Google Play Music(Web版)、Spotify(Win版デスクトップアプリ)
- 測定対象:Mr.Childrenの「深海」1曲目「Dive」~2曲目「シーラカンス」の曲間(無音部分)
- 測定方法:オンライン再生で連続5回ずつ測定(条件変更ごとにキャッシュ削除)
- 条件(Google Play Music):音質3パターン(低、標準、高)
- 条件(Spotify):音質2パターン(標準、高音質)×Automix設定2パターン(ON、OFF)×ハードウェアアクセラレーション設定2パターン(ON、OFF)の合計8パターン
一部、補足説明します。
1-1.対象
前回同様です。
曲間が明確につながっているものということで、個人的に古くからなじみのある、このアルバムにしました。
1曲目「Dive」~2曲目「シーラカンス」は、本来、無音部分なしでスムーズにつながっていますが、ギャップレス再生ではない場合、無音部分が生じ得ると考えられます。
1-2.方法
前回同様です。
通信速度や処理速度のばらつきを考慮して、測定を5回繰り返すことにしました。
また、繰り返し再生するとキャッシュがたまって、処理速度が上がる可能性があるため、
条件を変えるたびにキャッシュ削除しました。
なお、これだと、同じ条件で5回繰り返している間は、キャッシュの影響を受ける可能性がありますが、
実用上はキャッシュありの状態での再生も少なくない
条件ごとの違いがわかればよい
との考えから、1回再生ごとのキャッシュ削除は行いませんでした。
1-3.条件
再生音質設定によって、読み込み時間が変わると考えられるため、それぞれのアプリで設定可能な再生音質を全て試しました(Spotifyは無料プランのため、最高音質は選べず除外)。
また、Spotifyには、
- 曲間をなめらかにする「Automix」設定
- 処理に影響すると思われる「ハードウェアアクセラレーション」設定
があったため、こちらも設定を変えて測定してみました。
2.検証結果
Spotify(Win版デスクトップアプリ)は、8条件全てにおいて
- 実質ギャップレス再生対応とみなせる
という結果になりました。
もう少し詳しく述べると、
- 波形:無音部分に相当する箇所が見当たらない
- 聴感:ノイズや音途切れが感じられない
といったところです。
ですので、Spotifyについてはグラフ化対象から除外します。
一方、Google Play Musicは、全条件でギャップ(無音時間)が発生していました。
各条件における、Google Play Musicのギャップ(無音時間)データを以下に示します。
- どの条件も概ね、ギャップ(無音時間)20ms弱
となっていますが、例外的に、音質(低、標準)における一部データで、1~3s程度のギャップ(無音時間)が生じているところがあります。
縦軸を拡大するとこうなります。
必ずしも毎回というわけではなく、これより高負荷な条件(高音質)でもこうした現象が起きていないことから、偶発的な通信または処理速度低下が原因と思われます。
その他特徴としては、
- 上記、例外的なギャップ増大を除けば、再生音質の違いによるギャップ(無音時間)の違いはほとんどみられない
といった点が挙げられます。
Android版Google Play Musicの数十msというレベルの(ギャップ)無音時間も、よほど集中して聴いていない限り、まず無視できると考えてよいものですが、
今回の20ms弱というレベルのギャップ(無音時間)は、より一層無視できるもの(集中時除く)と考えてよいでしょう。
3.最後に
以上、
- Google Play Music(Web版)
- Spotify(Win版デスクトップアプリ)
を対象に、
オンライン再生時の曲間(ギャップ)を実測した結果をお伝えしてきました。
結論は、
- Spotify(Win版デスクトップアプリ)は実質ギャップレス再生対応とみなせる
です。
もう少し詳しく述べると、
- 波形:無音部分に相当する箇所が見当たらない
- 聴感:ノイズや音途切れが感じられない
といったところです。
私自身、以前から、
Spotifyではライヴアルバムなどでもギャップがない印象
を持っていましたが、今回の実測で一層、その感覚に確信を持つことができました。
というわけで、PC環境でギャップレス再生にこだわる場合、
- Spotifyの方が精神衛生上おすすめ
といえます(Google Play Musicとの比較)。
音楽サブスクリプション(定額制音楽配信)サービス検討などの際、今回のこの記事がお役に立てれば幸いです。