「ゼッタイ弾ける!タッピング超入門」を見てみた感想&レビュー
今回は、ギターにおけるタッピング奏法をメインに解説した「ゼッタイ弾ける!タッピング超入門」を見てみた感想&レビューをお伝えします。
ズバリ、こんな方におススメの内容です。
- 「ゼッタイ弾ける!タッピング超入門」は本当に役立つのか気になる
- タッピングのやり方がわからない
- タッピングは使っているがもっと改善したい
- 速弾きしたい
先に結論を少しお伝えしておきます。
まずは「どれぐらい役に立つのか」、「どう役立てられるか」といった点。
- タッピング練習のしどころがわかる
- タッピングの様々な応用テクニックが学べる
- 教則映像の中で出てくる練習フレーズと演奏ポイントを覚えた上で、メトロノームなどに合わせて練習するのがおススメ
- 映像の中でフレーズのTAB譜や譜面が出てこないので、そのあたり必要な人は(特典TAB譜付きの)パッケージ版(DVD)(※)入手がおススメ
(※)販売元アトス・インターナショナルの公式サイト内ページで確認。ただし詳細(全フレーズ分あるかどうかなど)は不明。また、中古品など、購入ルートによっては、DVD特典TAB譜が欠落していたりする可能性が考えられるので、購入前の確認がおススメ。
そして、この教則映像に特に向いている人というのは、
- ある程度ギターが弾ける人
- 変わったギターフレーズを弾きたい人
といったところだと思います。
タッピングは速弾きに向いているというだけでなく、
弦、フレットを大きく移動したフレーズが弾けるという点で、ギタープレイの幅を広げてくれるテクニックです。
やりようによっては、ギターソロのみならず、オブリガートにも適用していけるでしょう。
この映像では、比較的簡単なフレーズから、段階的に練習していけるので、基礎を固めながら着実にタッピング奏法をマスターしていけるのではないでしょうか?
それでは以下、詳しくみていきましょう!
1.タッピング奏法の難しさ
タッピング奏法というのは、通常ピックなどを使って弦を弾いている方の手の指で、指板上の弦を押さえて(弦を弾(はじ)いて)音を鳴らす奏法です。
この「タッピング奏法」の何が難しいのか、最初に触れておきましょう。
細かいところを挙げればきりがないでしょうが、主だっては以下3点です。
- フィンガリングとの連携
- 弾かない弦のミュート
- ピックプレイとの切り替え
1-1.フィンガリングとの連携
タッピング自体は指板上の弦を押さえる(そして弾(はじ)く)ことで音を鳴らせばよいわけですが、
ネックを握っている方の指の動きと連動して一つのフレーズを作る、という形が基本となります。
ですので、両方の手の指の動きがマッチしていないと、フレーズが乱れてしまいます。
これは特に、動かす指の数が双方増えてくると、より一層難しくなってきます。
1-2.弾かない弦のミュート
タッピング中、タッピングしている方の手は、ピックなどで弾いているときと比べて手が弦から浮きがちになります。
そのため、特に慣れないうちは弾かない弦のミュートがおろそかになりがちです。
その上、弦をピッキングせずに音を鳴らすというタッピング奏法の性質上、音作りもハイゲイン(歪み大きい)側にすることが多いと思います。
ハイゲインになると、少しのノイズ(余計な音)も大きくなってしまいがちですから、より一層演奏がシビアになってきます。
1-3.ピックプレイとの切り替え
タッピングばかりの曲、というのはまれで、
基本はピックを使って演奏、
タッピング時にピックを使わず指で指板をたたいて演奏、
といったスタイルをとることが多いと思います。
ピックを使う場合と、タッピングをする場合とでは、ピッキングする方の手の動きが全く変わりますし、
タッピングしているときのピックの処置の仕方を誤ると、ピックを落としたりすることもありますので、
特にリアルタイムのライヴ演奏においては、そのあたりがシビアになってきます。
2.「ゼッタイ弾ける!タッピング超入門」の内容
さて、タッピング奏法の難しさが整理できたところで、本編の内容について触れていきましょう。
この教則映像の時間は1時間弱程度ですが、最初と最後に楽曲のデモ演奏があり、
また、終わりの方ではタッピング以外に、速弾き、スウィープの紹介もあるため、
「タッピング解説&練習一筋」というような映像ではありません。
(以下「""」内、Amazon商品ページより引用)
〈CONTENTS〉
■DEMONSTRATION『Blue Flag』
■タッピングの基本構造
■タッピングに適したギターとアンプのセッティング
■基本編1『1本の弦上でのタッピング』
○タップ
○開放弦を使ったタッピング
○3度のタッピング
○ミュート
○横移動を含んだフレーズ
■基本編2『2本の弦にまたがるタッピング』
○開放弦を使ったタッピングの弦移動
○3度のタッピングの弦移動
○スライドが入ったタッピング
■タッピング・ハーモニクス
■応用篇1『右手人差し指と中指を使うタッピング』
■応用篇2『右手人差し指と中指と薬指を使うタッピング』
■応用篇3『ボスハンド・タッピング』
■『トルコ行進曲』をタッピングで弾いてみる
■速弾き○フル・ピッキング○レガート
■スウィープ○2弦スウィープ○3弦スウィープ
■DEMONSTRATION『Parallel World』
個人的には、
「タッピングに特化して解説&実演していただきたかったなぁ」
という印象を持ちましたが、
それでも、
- タッピング・ハーモニクス
- ボスハンド・タッピング
といった、割と変わり種な(?)テクニックの紹介もあって面白かったですし(自分の音楽で使うかは別として・・・)、
タッピング以外のテクニックの紹介についても、
- 速弾き系テクニック全般に興味がある人
- 速弾き系テクニックにまだ手を出していない人
にとっては、得るところも少なからずあるかと思います。
なお、スウィープに関しては、これに特化した別の教則映像「ゼッタイ弾ける!スウィープ超入門」がありますので、本格的にスウィープを練習したい人は、こちらもチェックしてみるとよいかもしれません。
この教則映像については、すでにこのブログでも取り上げています。
・・・と、タッピング以外の話はこれぐらいにして「ゼッタイ弾ける!タッピング超入門」の方に戻ります。
続いてもう少し具体的な、
- 「教則スタイルや雰囲気は?」
- 「どんな音を出している?」
- 「楽譜やTAB譜はある?」
- 「演奏スピードについていける?」
といった視点で、私の思うところを交えつつ、内容(雰囲気)を少しお伝えしていきます。
2-1.教則スタイルと雰囲気
お手本演奏と解説によって話が進んでいくという、恐らくオーソドックスと思われる教則スタイルです。
インストラクターはEITAさんという方で、
話の進行自体はゆっくりめで演奏について丁寧に解説しつつも、話し方はハキハキとしているので、「見ていてダレる」ということはないはずです。
2-2.ギターの音
基本的にサスティンが割と効いたドライブサウンド(歪み)となっています。
しかし、本映像のメインともいえる、解説や練習フレーズ紹介の時は、割と歪みが少ない音でプレイしています。
実際には、ドライブサウンド(歪み)でタッピングするケースの方が圧倒的に多いとは思いますが、
歪みの少ない音をしっかり鳴らしてくれる方が、
「何を弾いているか」
がわかりやすいので、ゆっくり解説しながらこうした音で実演してもらえるのはありがたいです。
2-3.楽譜やTAB譜
本映像におけるお手本演奏中は、基本的にギター演奏の映像のみで、練習フレーズ自体の楽譜やTAB譜といった類のものは基本的に出てきません。
パッケージ(DVD)版の場合は、特典としてTAB譜が封入されています(※)。
(※)販売元アトス・インターナショナルの公式サイト内ページで確認。ただし詳細(全フレーズ分あるかどうかなど)は不明。
もっとも、中古品など、購入ルートによっては、特典TAB譜が欠落していたりする可能性が考えられるので、購入前にあらかじめ確認しておくとよいでしょう。
TAB譜と映像(フレット位置、手の動きなど)を併せて見れば、TAB譜なしの映像だけ見るよりも練習しやすそうです(TAB譜の現物を確認してはいませんが)。
2-4.演奏スピード
特に慣れないうちは、
「スピードについていけない」
ということもあるかと思います。
この教則映像では、ゆっくり解説&実演しているところが割とあるので(必ずしも全フレーズではないですが)、
そのようなフレーズは、そのまま再生して確認していけば(場合によっては一時停止や巻き戻しも駆使して)、十分ついていけると思います。
それでも追いつけないようなフレーズは、スロー再生して確認するしかありません。
動画サブスクの中には、スロー再生対応しているものもありますので、動画サブスクで見る場合は、そうした機能を駆使するのがよいでしょう(音の方がどこまで対応しているかは不明ですが)。
パッケージ版(DVD)の場合も、スロー再生対応可能なDVDプレーヤーも世の中には存在するので、それなりにやりようはありそうです(音の方がどこまで対応しているかは不明)。
3.「ゼッタイ弾ける!タッピング超入門」のおススメな使い方
さて、パッケージ版(DVD)でも動画サブスク/購入/レンタルでもよいですが、この教則映像、どのように使っていけばよいのでしょうか?
ざっと見たところ、次の3つのポイントを押さえておくと、有効に使っていけるかと思います。
- 比較的簡単なものからポイントを押さえて練習フレーズを繰り返し練習
- 面倒でもアンプやアンプシミュレータにつないで練習
- 練習にあたってはTAB譜があると便利なので、その点では(特典TAB譜付きの)パッケージ版(DVD)が有利
この映像に出てくる練習フレーズ、序盤に紹介されるものは特に簡単で着手しやすいものですので、
順を追ってフレーズと演奏ポイントを押さえて繰り返し練習していくのがよいでしょう。
さらにいえば、練習フレーズと演奏ポイントを覚えてしまえば、いちいちDVDを再生したり、動画ページを開いたりする必要もなくなります。
そのぐらい親しめば、練習も手軽にできるようになって、継続のハードルも下がってくると思います。
なお、教則映像における練習フレーズの実演時、基本的にはメトロノームなどの「リズムを刻む音」が鳴っていないので、
「映像中の音に合わせて練習」
というのは少々やりにくいと思います。
そもそも実演のギター音と自分のギター音がかぶって聞こえていると、自分が弾けているのかどうかが確認しづらいので、やはり
「フレーズを覚えてメトロノームなどで繰り返し練習」
がよいでしょう。
あと、これはスウィープ奏法などでもそうなのですが、タッピングの場合も、
アンプやアンプシミュレータなどにつないで「アンプの音」(できればドライブサウンド)で練習することが大切だと思います。
というのも、エレキギターの生音などでは、
ちゃんと音が鳴らせているのかどうかが確認しづらいですし、
弾かない弦のミュートが少々おろそかでも、違和感なく聞こえてしまいますので、
そのあたりが曖昧なプレイがそのままクセづいてしまう恐れがあるためです。
もっとも、歪ませ過ぎると、タッピングの力がイマイチでも音がしっかり鳴ってしまうので、これまたよろしくないクセがついてしまう恐れがあります。
ですので、アンプなどの設定を変えながら、色んな歪みレベルで弾いてみるのがよいと思います。
正しく弾けていれば、設定を変えてもしかるべき音がちゃんと鳴るはずですので。
そして、練習にあたって問題となるのが練習フレーズの譜面類。
2でお伝えした通り、パッケージ版(DVD)では特典としてTAB譜が封入されています(※)。
(※)販売元アトス・インターナショナルの公式サイト内ページで確認。ただし詳細(全フレーズ分あるかどうかなど)は不明。
これを用いると練習がより一層はかどることでしょう。
ただし、
中古品など、購入ルートによっては、特典TAB譜が欠落していたりする可能性が考えられるので、
購入前にあらかじめ確認しておくとよいでしょう。
4.最後に
以上、ギターにおけるタッピング奏法を実例付きで解説した教則映像「ゼッタイ弾ける!タッピング超入門」を見てみた感想&レビューとして、その内容、おススメな使い方などを中心にお伝えしてきました。
最後に要点をまとめておきます。
まず「どれぐらい役に立つのか」、「どう役立てられるか」という視点では、
- タッピング練習のしどころがわかる
- タッピングの様々な応用テクニックが学べる
- 教則映像の中で出てくる練習フレーズと演奏ポイントを覚えた上で、メトロノームなどに合わせて練習するのがおススメ
- 映像の中でフレーズのTAB譜や譜面が出てこないので、そのあたり必要な人は(特典TAB譜付きの)パッケージ版(DVD)(※)入手がおススメ
といったところがポイントになってくるかと思います。
(※)販売元アトス・インターナショナルの公式サイト内ページで確認。ただし詳細(全フレーズ分あるかどうかなど)は不明。また、中古品など、購入ルートによっては、DVD特典TAB譜が欠落していたりする可能性が考えられるので、購入前の確認がおススメ。
その他、この教則映像の特徴としては、
- 話し方と進行:ハキハキとした話し方と、ゆっくり丁寧な解説でわかりやすい
- ギターの音:デモ演奏などは現代的なドライブサウンド(歪み)メイン、ゆっくり実演&解説するときは歪みを下げた音も多い(フレーズを追いやすい)
- 演奏スピード:ゆっくり実演&解説するところも多いので、比較的フレーズを追いやすい
といったところが挙げられます。
今回のこの記事が、
- 「ゼッタイ弾ける!タッピング超入門」は本当に役立つのか気になる
- タッピングのやり方がわからない
- タッピングは使っているがもっと改善したい
- 速弾きしたい
といった方のご参考になれば幸いです。