「「3つの音」だけで最高の声になるボイストレーニング ゴルジャメソード入門」を読んでみた感想

(写真はイメージです)

今回は「「3つの音」だけで最高の声になるボイストレーニング ゴルジャメソード入門」を、実際に読んでみた感想を交えて紹介します。

ズバリ、こんな方特におススメの内容です。

  • 「3つの音」だけで最高の声になるボイストレーニング ゴルジャメソード入門」を読むべきかどうか悩んでいる
  • ボイトレ何をやればよいかわからない

(この本の内容を継続的に実践してみた感想についてご興味のある方は、以下記事もご参考にしていただければ、と思います。)

ゴルジャメソード本「「3つの音」だけで最高の声になるボイストレーニング ゴルジャメソード入門」をメインにしたボイトレを約7か月間続けてみて感じた効果、課題(難しさ)をまとめてみました。

さて、現在は様々なボイトレ本、ボイトレ動画がありますが、あまりに色々あり過ぎて

「これでいこう」

と思えるものを見つけにくいことが多いと思います。

しかし、この本

これでいこう

思わせてくれるだけの力を持っていると感じました。

というのも、この本は

発声トレーニングメニュー絞り込まれている

ためです。

本帯のキャッチコピー(?)に

最短

とか

神メソード

といったキーワードが散りばめられているのもうなずけそうな内容です。

もちろん、ボイトレ本ですから、本の文章を読むだけでなく、お手本音源も聴くことができます。

お手本音源は本に記載されているURLを通じて、限定公開のYouTube動画にアクセスすることで聴けます。

それでは以下、詳しくみていきましょう!

1.この本の全体的な特徴

(写真はイメージです)

この本の前半は発声トレーニングの話、中盤にボイトレに関するQ&Aコーナーがあり、最後に文化芸術総論的な話がなされます。

なお、この本は「ゴルジャメソード」ですが、本帯のキャッチコピー(?)内で「フースラーメソードの権威が初公開!」と記載があります。

・・・とすると、

  • ゴルジャメソードフースラーメソード違いは何なのか?
  • 両者は矛盾しないのか?

といった点が気になると思いますが、これらについてはこの本を読んだ限り、

  • ゴルジャメソードはフースラーメソードよりも古い時代のもの(源流寄り)
  • 両者に矛盾はない

と言えます。

なお、私は同じ著者のフースラーメソード本「ボーカリストのためのフースラーメソード」(電子書籍版)も読んだことがありますが、

これに比べると今回紹介する本は

  • 内容がシンプル
  • 表現がポップでとっつきやすい

といった特徴があります。

ともあれ、これら2冊の間に矛盾点は見られないので、既にフースラーメソードの方を実践している方でも、 「大きな違和感なく読んで実践していけるのではないか」 と思います。

さて、この手の本を読むにあたって気になるであろう、

  • トレーニング内容
  • 必要となる前提知識

について少しまとめておこうと思います。

1-1.トレーニング内容

基本的には「シ」、「レ」、「ミ」の音程様々な声色トレーニングすることが説かれています。

ただ、それだけにはとどまらず、他の音程を用いたスケール的なメニュー、はっきりとした音程がないように思われる声のトレーニングもあります。

メニューの中には、一見(聴)歌に関係なさそうな、すごい声のトレーニングメニューもありますが、喉を鍛えるのに良いのだそうです。

なお、声色については、フースラーメソードにおけるアンザッツ概念と対応付けて説明されているところもあるので、

このあたりは、既にフースラーメソードを実践されている方にとって特に馴染みやすいところかと思います。

もちろん、フースラーメソードを知らない方でも、

声のイメージ出し方のヒントは説明されていますから、

こうした記述を手掛かりに実践していけるかと思います。

結局は自分で「こう出す」という解を見つける必要がありますが・・・

1-2.必要な前提知識

地声、裏声について一般的なレベルの認識があれば、本の内容は理解できるかと思います。

もちろん「一般的な認識に誤解が含まれている」ということもあるので、そこは本を読んで認識を覆されるところでしょうが、

「内容が全くわからない」

ことにはならないと思います。

聞き慣れない専門用語も文中に出てきますが、基本的には文中でかみ砕いて説明されていることが多いですし、

巻末に用語辞典的なものもありますので、これらを読んでいけば話の内容は理解できるかと思います。

2.この本のメリット

内容面形式面に分けて取り上げます。

2-1.内容面のメリット

以下2点あります。

  • 説明わかりやすい
  • 発声トレーニングメニュー絞り込まれている

1つ目「説明わかりやすい」について。

話の流れが論理的で、文中に専門用語が入ってきても、かみ砕かれた説明になっていて理解しやすい印象です。

また、他のメソードの特徴、その問題点の指摘も含まれているので、

このメソードでなければならない理由(必然性)が明確になっており、

納得感をもってトレーニングメニューを実践していけるようになっていると感じます。

もっとも、他のメソードの信奉者からすれば、ここで述べられている主張に対する反論点もあるのだと思いますが、

私個人としては、非常に納得できる説であるように感じました。

2つ目「発声トレーニングメニュー絞り込まれている」について。

メニュー豊富なボイトレ本も少なくないと思いますが、この本は「少数精鋭」という印象。

しかも、実践ステップ(段階)も明確になっているので

  • 「何からやればよいのか」
  • 「何をやればよいのか」

がはっきりして、実践継続しやすいです。

さらに、個々のメニュー短くて覚えやすいものばかり。

本や特典動画を見なくても、記憶とチューナー(アプリでも)があれば、隙間時間にボイトレできてしまいます(防音環境と時間帯次第、ですが)。

「色々やるよりも、まず一つ一つの精度を高める」

そんなスタンスでボイトレしていける本だと思います。

2-2.形式面のメリット

以下2点あります。

  • 特典動画見られる
  • 文字大きい

1つ目「特典動画見られる」について。

特典動画(限定公開YouTube動画)の内容は、本の内容に対応した解説手本音源&映像で、長さは約90分とそこそこ長いです。

動画内の解説は、ほぼ本の内容と同じように感じられますが、全く同じわけではないので、動画内の解説も合わせて確認すると、より理解が深まります。

また、解説の声及び話し方が素晴らしく、それ自体「お手本」にしたいところです・・・

2つ目「文字大きい」について。

本のサイズがそこそこあるので、当然かもしれませんが、

文庫本や電子書籍(スマホ画面)よりははるかに大きな文字で読みやすいです。

購入検討時は「紙の本しかないのか・・・」

と思っていましたが、ここまで文字が大きければ

「たまには紙の本も悪くないな」

と思い直してしまいます・・・

3.この本のデメリット

こちらも内容面形式面に分けて取り上げます。

3-1.内容面のデメリット

以下1点あります。

  • 「3つの音」である理由の説明が物足りない

序盤で一通り理由は説明されていますが、もう一層ぐらい深い理由が欲しいと思いました。

3-2.形式面のデメリット

以下2点あります。

  • 紙の本しかない(2022年3月6日現在)
  • メニューごと分かれた練習用音声ファイルがない

1つ目「紙の本しかない」について。

いつでもどこでも読める電子書籍版がないので不便に思いました。

もっとも、特典動画が限定公開YouTube動画形式なので、

「いつでもどこでも」の要素は「動画の方で代替可能」と割り切ることもできそうです。

個人的にはテキストを読む方が好きなのですが・・・

2つ目「メニューごと分かれた練習用音声ファイルがない」について。

同著者のフースラーメソード本「ボーカリストのためのフースラーメソード」とは異なり、メニューごとの音声ファイルはなく、1つの特典動画の中まとめて収録されています。

特典動画の最後の方で、音源だけがまとめて収録されてあるので、まとめて練習する時などにはこちらの最後部分を再生するとよいでしょう。

が、特定のメニューを取り出してトレーニングするには少々不便です。

こうした抜粋練習をするには、やはりメニューを頭に叩きこんで、チューナーで音程を確認しながら声を出すのが良さそうです。

4.この本の活用方法

前章までで、この本の特徴を大まかにお伝えしてきましたので、活用方法も自ずと見えてくるかと思いますが、主だっては以下2点が挙げられます。

  • メニューを覚えて隙間時間練習しまくる
  • 本で挙げられている例の音源探して聴いて(聴き分ける力など)を鍛える

もっとも、これらは独立したステップというより、相互に影響し合うものであるので、時間、場所、状況に応じてできることをやればよいと思われます。

なお、この本自体は、発声部分以外にも、存在感の訓練方法や文化芸術総論のような話など、

「一見発声に無関係なようでいて、実はつながっている」ような内容も含まれているのですが

私自身、そのあたりについてはまだまだ飲み込み切れておりませんので、今回は上記2点にフォーカスして取り上げます。

4-1.メニューを覚えて隙間時間に練習しまくる

基本的にはこれですね。

この本の中でも、日々の練習時間の取り方は「短時間+高頻度」が推奨されていますので。

メニューもシンプルですから、覚えやすく、隙間時間を見つけてちょくちょくやるのには向いていると思います。

練習のステップ(段階)も

  • これができれば次はこれ
  • 次ができないときはこれに戻る

といったように明らかにされているので、あまりやることには迷わないのではないか、と思います。

4-2.本で挙げられている例の音源を探して聴いて耳(聴き分ける力など)を鍛える

手本の音源(特典動画内)だけでも様々な声色が出てきますが、

特典動画には収録されていないものの、本文中で例示されている参考になる声&模範となる声(鳥の声、何人かのシンガーの歌声など)も少なからずあります。

手本の音源だけではわからなかったことも、こうした実例を聴いていくとわかる・・・

そんなこともあるかもしれません。

5.最後に

以上、「「3つの音」だけで最高の声になるボイストレーニング ゴルジャメソード入門」を、実際に読んでみた感想を交えて紹介してきました。

ここでもう一度、この本のメリット&デメリットをまとめてお伝えします。

まずはメリットから。

内容面メリット以下2点

  • 説明わかりやすい
  • 発声トレーニングメニュー絞り込まれている

形式面メリット以下2点

  • 特典動画見られる
  • 文字大きい

続いてデメリットの方。

内容面デメリット以下1点

  • 「3つの音」である理由の説明が物足りない

形式面デメリット以下2点

  • 紙の本しかない(2022年3月6日現在)
  • メニューごと分かれた練習用音声ファイルがない

いつでもどこでも読める電子書籍がないのは不便ですが、

解説も音源も聴ける特典動画でそのあたりは補えそうです。

今回の記事が

  • 「3つの音」だけで最高の声になるボイストレーニング ゴルジャメソード入門」を読むべきかどうか悩んでいる
  • ボイトレ何をやればよいかわからない

といった方のご参考になれば幸いです。

(この本の内容を継続的に実践してみた感想についてご興味のある方は、以下記事もご参考にしていただければ、と思います。)

ゴルジャメソード本「「3つの音」だけで最高の声になるボイストレーニング ゴルジャメソード入門」をメインにしたボイトレを約7か月間続けてみて感じた効果、課題(難しさ)をまとめてみました。