(ギター管理)GRECOの湿度調整剤を期限限界まで(12か月間)使い続けた結果・・・

(写真はイメージです)

ギター保管に重宝する湿度調整剤(調湿剤)。

湿度調整剤(調湿剤)には大抵、期限があり、例えば GRECO湿度調整剤(調湿剤)DRY CREW(ブルーベリー)の場合、最大期限は12か月となっています(商品パッケージにおいて、6~12か月ごとに交換するように書かれていることから)。

12か月といえば、1年に相当しますが、本当にそこまで長期間使えるものなのでしょうか?

気になったので12か月間(1年間)、このGRECO湿度調整剤(調湿剤)DRY CREW(ブルーベリー)を入れたギターケース(ハードケース)内の湿度測定し続けてみました(ギターケースは基本的に密閉)。

今回はその結果についてお伝えします。

ズバリ、こんな方特におススメの内容です。

  • 湿度調整剤(調湿剤)の効果期限を知りたい
  • ギターケース(ハードケース)+湿度調整剤(調湿剤)」で本当に大丈夫なのか気になっている
  • 湿度調整剤(調湿剤)として比較的安価GRECODRY CREW使い物になるのか気になっている
  • ギター長期間保管する方法探している

最初に結論の要点をお伝えしておきます。

  • ギターケース外湿度30%台~70%に対し、ギターケース内湿度40%台~60%台キープできている(期限ぎりぎりまで(12か月間))

グラフで示すと次の通りです。

  • 横軸:データNo.(時系列順)
  • 縦軸:湿度[%]
ギターケース内と外の湿度変化(時系列)を比較するためのグラフ

湿度調整剤(調湿剤)は消耗品のため、定期的な交換(=出費)が必要ですが、

もし、その交換が12か月(1年)に1回で済むのであれば、コスパ的にもかなり助かりますね(それぐらいで済むかどうかは使用環境に依存すると思いますが)。

それでは以下、詳しくみていきましょう!

1.検証方法

以下記事の「2-1.検証方法」と同様の方法で検証を行いました。

ギターを長期間保管する、たまにしか弾かないときなどによくいわれる保管方法「ギターケース(ハードケース)+調湿剤」。本当にこれでよいのか、数ヵ月にも及ぶ湿度測定結果も交えてお答えします。

測定は1日1回ですが、必ずしも毎日というわけではなく、飛び飛びになっている時期もところどころあるので、測定点数は365未満になっています。

また、ギターケース内の湿度はPICKBOY(ピックボーイ)湿度計AA-150で測定したのですが、この湿度計の湿度表示値は、

私が普段使っている(そして信頼している)デジタル時計(NQ501S)(ギターケースには入らないサイズ)の湿度表示値に比べると少々高めに出る傾向にあることがわかっています。

ですので、ギターケース内の湿度は、以下のグラフに基づいて、PICKBOY(ピックボーイ)湿度計AA-150の表示値を換算する形で算出することにしました。

PICKBOY(ピックボーイ)湿度計AA-150の湿度表示値補正のためのグラフ

ここで示す近似式(換算式)は、前回測定時の結果(以下記事参照)と異なっています。

ギターを長期間保管する、たまにしか弾かないときなどによくいわれる保管方法「ギターケース(ハードケース)+調湿剤」。本当にこれでよいのか、数ヵ月にも及ぶ湿度測定結果も交えてお答えします。

これは、元となる測定データが前回と異なっていることも影響していると思われます。

どちらの近似式を使うべきか、議論の余地はあると思いますが、今回のギターケース内湿度測定と同時期に測定したデータということから、こちらの新しい近似式を使うこととします。

というわけで、次の2で示す検証結果におけるギターケース内の湿度は、すべてAA-150での湿度表示値をこの式で換算した値としています。

2.検証結果

以下に、ギターケース内ギターケース外湿度値時系列順に並べたグラフを示します(冒頭でお見せしたものと同じグラフ)。

  • 横軸:データNo.(時系列順)
  • 縦軸:湿度[%]
ギターケース内と外の湿度変化(時系列)を比較するためのグラフ

ギターケース外の湿度(青色)の変化(30%台~70%台)に対して、ギターケース内の湿度(橙色)の変化かなり緩やか(40%台~60%台)であることがわかります(ある程度引きずられてはいますが)。

ですので、このように1年間通してみた場合、ほぼほぼ湿度キープできているといえます。

ちなみに、12か月(1年)間使用した後、湿度調整剤(調湿剤)を新品に交換してみたときのグラフ(交換前後)を同様に示しますと、

  • 横軸:データNo.(時系列順)
  • 縦軸:湿度[%]
ギターケース内と外の湿度変化(時系列)を比較するためのグラフ(湿度調整剤交換前後)

このようになり、湿度調整剤(調湿剤)交換前後ギターケース内の湿度(橙色)が大きく下がっています

このことから、コンディション次第ではありますが、湿度調整剤(調湿剤)次第でギターケース内の湿度ある程度コントロールできることが改めて示唆されます。

なお、今回はギターケース内外の湿度がともに割と高い状態で湿度調整剤(調湿剤)を新品に交換したために、湿度が下がる方向に調整されたのだと思われますが、

逆の場合、つまり低湿度の状態で交換したときに、湿度が上がる方向に調整されるかどうかは不明です。

乾燥剤ではなく、湿度調整剤ですから、そうした作用を期待したいものですが・・・

また、これは前回測定時もそうでしたが、今回の測定で確認された湿度調整(安定化)の効果は、ギターケース(ハードケース)(基本的に密閉)という要素も影響しているものと思われます。

湿度調整剤(調湿剤)単体の効果も興味のあるところではありますが、実際には「ギターケース(ハードケース)+湿度調整剤(調湿剤)」という形で運用することが大半だと思いますので、今回はここまでの検証で良しとしたいと思います。

3.最後に

以上、12か月間(使用期限ぎりぎりまで)GRECO湿度調整剤(調湿剤)DRY CREW(ブルーベリー)を入れたギターケース(ハードケース)内の湿度測定し続けた結果(ギターケースは基本的に密閉)についてお伝えしてきました。

ここでもう一度、今回の測定結果で得られた結論の要点をまとめます。

  • ギターケース外湿度30%台~70%に対し、ギターケース内湿度40%台~60%台キープできている(期限ぎりぎりまで(12か月間))

少なくとも、極端な湿度環境でなければ、商品パッケージ記載の期限ぎりぎりまで(12か月間)使い続けても大きな問題はなさそうです(基本的に密閉状態のギターケース(ハードケース)内で使う場合)。

慎重を期すのであれば、定期的にギターケース内の湿度を測定し続けるのがよいでしょう。

ギターケース内湿度測定する湿度計としては、比較的小型かつ電池不要で使いやすい(PICK BOY(ピックボーイ)のAA-150おススメです(湿度表示値がやや高めに出る傾向にありますが、大まかな湿度管理には十分使えると思います)。

この湿度計については、以下記事でも取り上げています(湿度表示値がどのように高めに出るのか、についても測定結果に基づいて言及)。

比較的小型&安価、かつ電源不要で、ギターケース用湿度計として使いやすいPICKBOY湿度計AA-150。その湿度表示値の妥当性を、一般的な時計の湿度表示値との比較により推し量ってみた結果を中心にお伝えします。

今回の記事が

  • 湿度調整剤(調湿剤)の効果期限を知りたい
  • ギターケース(ハードケース)+湿度調整剤(調湿剤)」で本当に大丈夫なのか気になっている
  • 湿度調整剤(調湿剤)として比較的安価GRECODRY CREW使い物になるのか気になっている
  • ギター長期間保管する方法探している

といった方のご参考になれば幸いです。